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全国が注目!北海道・弟子屈町の持続的なまちづくり|弟子屈の未来を切り開く2人の熱き対談

北海道・弟子屈(てしかが)町にある透明度世界第2位の湖・摩周湖に一番近いホテル「レラ摩周」の運営を中心に、弟子屈町の地域活性化に取り組む会社である、弟子屈チャレンジ株式会社(以下、弟子屈チャレンジ)。

今回は、弟子屈チャレンジ株式会社 代表取締役社長 河原 典仁さんと、弟子屈町で介護事業を中心に運営する株式会社  ケアー・サポートまつやま 松山 裕一さんに、弟子屈町の持続可能な町づくりについて、これまでの歩みとこれからの展望をお伺いしました。

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[執筆・校正]株式会社ストーリーテラーズ 平澤歩
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様々な魅力で全国から注目を集める弟子屈町

河原「弟子屈町は、実はSDGs(持続可能な開発目標)が広く提唱されるかなり前から、持続可能なまちづくりに取り組んでいる町。

近年では、今までの取り組みの成果、弟子屈町の観光資源やエネルギー資源のポテンシャルが高く評価されてきて、日本だけでなく世界からも注目を集めていますね。」

松山「そうですね。そもそもなぜ弟子屈町が持続可能なまちづくりに取り組むことになったのかと言うと、人口流出が進み、数十年後にはこの町に住民がいなくなり、弟子屈町がなくなってしまうのではないかと危惧したからです。

その状況を立て直すには、『弟子屈町の観光資源を活かして町外からお客さんを呼び込み、生まれた利益でまちづくりに取り組むサイクルを生み出す』という、持続可能なまちづくりが必要だと考えました。」

松山「でも、いざ持続可能なまちづくりに取り組もうと思った時に、これまで誰も取り組んだことがないので、町外に強くアピールできる資源が何なのか、どのように活かしたらよいのか、プロセスがわかりませんでした。

ですが、弟子屈町の町民は地元に対する思いが熱く、『弟子屈をなんとかするために頑張りたい!』という強い気持ちはあったんです。

そこで、地元の青年会や観光協会、ボランティアなどが協力し、弟子屈町を盛り上げるイベントを行うようになりました。その中の1つが私が大会実行委員長を務め、今年で開催19回目を迎えるイベント『100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路』です。2005年から開始したこのイベントは次第に人気となり、毎年全国から200人が集まる弟子屈町の夏の風物詩となりました。

その盛り上がりに町長も注目し、弟子屈町のまちづくりについて町長と町民が協力し合うようになりました。そのように、町長と住民が協力して、弟子屈町の魅力が広まるような取り組みを行う中で、少しずつ町外の方々との繋がりも生まれてきました。その1人が弟子屈チャレンジが属するTeam Energyの創業者・中村  誠司氏でした。」

河原「弟子屈町は川湯温泉や活火山の硫黄山があることから、地熱発電で日本最大級のポテンシャルがあり、世界からも注目される存在。

元々発電事業に携わってきた中村は、地熱発電を活かして弟子屈町を盛り上げることができないかと考えて、『100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路』にも参加し、10年以上前から町長や町民の方との交流を深めてきたんですよね。

でも、『弟子屈を盛り上げたい』と町外の人がやってくることに対して、町民の方の抵抗はなかったんですか?」

松山「そうですね、やはり町外の、言ってしまえば都会の人が『地方創生のためにやってきました』というスタンスで来ていれば、町民から抵抗を感じられてしまうかもしれません。一方で町民も、弟子屈町のまちづくりに力を入れたいとは思っていても、自身の本業が忙しく、まちづくりに注力ができないという課題感もあります。

町外の方でも『あくまで主体は地元の人』という尊重がある方で、弟子屈町に住む私をはじめ地元の仲間が信頼している方であれば、『この人は信頼できるかも。自分たちの力だけでは難しいので、まちづくりに力を貸してほしい』と町民も受け入れてくれてくれることが多いです。」

河原「なるほど。そして、ここ数年は、阿寒摩周国立公園のカーボン・オフセット(注1)、阿寒摩周国立公園の環境省の国立公園満喫プロジェクトへの選定(注2)、地熱発電のポテンシャルへの注目、川湯温泉への大手リゾートホテル進出など、驚くほどさまざまな観点から弟子屈町が注目を集めていますね。」

松山「はい、町長や町民とそれを支援してくださる方々が信頼を深め、今まで地道に種まきをしてきたことが一気に花開いてきたと感じます。

観光や地域創生のプロフェッショナルはいますが、そのアイデアを最終的に実行するのはその地元の住民です。地域を本気で盛り上げるためには、地元の住民と支援する方々が信頼関係を築き、『あなたが言うなら取り組んでみよう』と地元の住民が本気で協力してくれることが必要なんです。そういった意味で、まちづくりに一番大切なのは、人と人との繋がりだと感じています。」

新たな客層が期待されるレラ摩周のリニューアル

河原「私たちのホテル・レラ摩周についても、国から助成金をいただき、改修工事をすることになりました。それも、松山さんや町長をはじめ弟子屈町の方々が、長い年月、中村を含むTeam Energyグループと交流を深めており、弟子屈チャレンジに期待してくださっているからだと思っています。

レラ摩周は、富裕層の外国人観光客が長期滞在できるような、ゆったりとした間取りの施設にリニューアルしたいと考えています。そして、阿寒摩周国立公園のカーボン・オフセットなど環境への取り組みを取り入れたエコツーリズムの拠点としてブランディングを図り、新たな客層にご宿泊いただくことを期待しています。

ですが、弟子屈チャレンジは単にレラ摩周に集客することが目的ではありません。レラ摩周にたくさんのお客様が来ていただくことをきっかけに、町内の様々な施設やお店をお客様に利用していただくことや、レラ摩周の収益を弟子屈町を盛り上げる新たな事業に投資することなどを通して、弟子屈町を元気にするのが目的です。

弟子屈チャレンジの取り組みが成長し、弟子屈町をより活気づけることができたら、同じように人口流出や観光客の誘致に悩む自治体にもモデルケースとして展開し、日本全国を元気にしていきたいです!」

松山「ここ数年で弟子屈町を取り巻く環境は大きく変化しました。今のように町外からの様々な資本が大規模に参入することは、これまでになかった動きです。

弟子屈チャレンジによるレラ摩周の経営やリニューアルもその1つ。以前であれば、経営の継承先も見つからず、廃屋になっていた可能性が大きかったと思います。

まさに大転換期を迎えている弟子屈町において、今後の観光客誘致の肝となってくる地熱発電やカーボン・オフセットなどの施策に造詣の深いTeam Energyが、町民と一体となって取り組んで行くというストーリーは、奇跡みたいな話だと感じています。

大規模とは言えずとも『100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路』というイベントを通し、19年の歳月をかけて『弟子屈で人と人との繋がりを』を作り上げてきた結果で繋がったご縁とも言えるので、格好良く言えば『起きた奇跡ではなく、起こしに行った奇跡』なのかもしれません(笑)。

しかし、弟子屈町のまちづくりは、まだほんの序章です。これからリニューアルされるレラ摩周が、町全体から信頼と期待を寄せられる存在となるよう、弟子屈チャレンジの皆さんと盛り上げていきたいですね!

(注1)カーボン・オフセット

日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方のこと(環境省ホームページより引用)。

(注2)国立公園満喫プロジェクト

国立公園の保護と利用の好循環により、優れた自然を守り地域活性化を図るプロジェクト。具体的には、「日本の国立公園のブランド力を高め、国内外の誘客を促進する」「利用者数だけでなく、滞在時間を延ばし、自然を満喫できる上質なツーリズムを実現する」「地域の様々な主体が協働し、地域の経済社会を活性化させ、自然環境への保全へ再投資される好循環を生み出す」といった趣旨がある(環境省ホームページより引用)

レラ摩周から弟子屈町を元気に!

改修工事を行い、より魅力的な施設へとパワーアップするレラ摩周。弟子屈チャレンジでは、そんなレラ摩周を拠点とし、様々な観点からその可能性が注目される弟子屈町の魅力を、日本全国に、そして世界に広め、より弟子屈町を盛り上げていきます。リニューアルオープンした際はぜひ訪れていただき、弟子屈町の魅力や可能性を直接体感してください!


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