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【部長インタビュー】「Beyond Arena」を通した一生思い出に残る顧客体験を

今回は、株式会社愛知国際アリーナで経営企画部のトップである堀内部長にインタビュー。会社の設立背景からビジョン、アリーナや組織の特徴、そして2025年開業に向けて立ち上げフェーズである愛知国際アリーナで働く魅力などについて詳しく伺いました!

*プロフィール

堀内 剛紀(ほりうち たけのり)

株式会社愛知国際アリーナ 経営企画部 部長(株式会社NTTドコモ エンタ―テイメントプラットフォーム部より出向)

2008年大学卒業後、NTTドコモに入社し移動機開発部にてiモード端末のGPS機能仕様の策定やスマホ向けアプリの企画開発を担当。2016年に人事部で人材開発方針策定や育成施策の企画・実行を担当し、2019年スポーツ&ライブビジネス推進室に異動後、スポーツ業界のビジネスパートナーとの協業やスマートアリーナビジネスを担い、2021年8月より株式会社愛知国際アリーナに経営企画部長として着任。(敬称略)


「株式会社愛知国際アリーナ」の設立背景

新しい顧客体験を提供するアリーナづくりにチャレンジ

ーー会社の設立背景と目的について教えてください。

2020年、愛知県競争入札案件として公募が行われたのが愛知県新体育館の生まれです。その時に愛知県が掲げていたのが、上質なホスピタリティやICTを活用した新しい観戦体験。そういった新しいエンターテイメントを提供できるような体育館を目指したいという意思の元、募集がかけられました。そこにNTTドコモ・前田建設工業とで、「こういった案件にチャレンジしませんか」とタッグを組みました。

当時は、私含め3人しかチームメンバーがおらず、何を検討したらよいかよくわからぬまま「アリーナって何だろう?」というところから調べ始めました。「愛知のシンボルとして建てたいアリーナとは」ということを皆の意思を積み上げながら検討を進め、提案の後、落札。2021年5月に、提案したコンソーシアム企業7社が出資して、SPC*という位置づけとして「株式会社愛知国際アリーナ」が設立されました。

NTTドコモと前田建設工業とが発端となって、そういった新しい顧客体験や充実したホスピタリティを提供できるようなノウハウを持ったコンソーシアム企業とともに、地域と、社会と、そして日本全体の発展に貢献できるようなアリーナをつくっていく。これが、我々の会社の目的と、設立の経緯になります。

(*SPC…Special Purpose Companyの略で、「特別目的会社」と訳され、 企業が保有する不動産など特定の資産の流動化、資金調達を目的に設立される会社のことを指す。)


”箱貸しだけじゃない”価値を生む海外アリーナの仕組み

ーー3人での検討当初、実際「やれる」と思っていましたか?

思っていませんでした(笑)。なぜなら、「良いアリーナってなんだろう」「未来にあるべき新しいアリーナの形ってなんだろう」と、”何を、何のためにやるか”ということから考え始めたので。

当時は海外の先進的なアリーナがどんなものか調べるところから始まりました。「海外のアリーナがスポンサー収入だけで数十億稼げているのはなぜだろう…」と紐解いていくと、やっぱりそこにはお客様が来場して喜んで貰える空間があって。飲食サービスの充実だったり、スポンサーの方に喜んで頂けるアクティベーションの組み方だったり、来場していただくお客様が現場で新しい体験ができるようになっていたり。こういった仕組みが価値を生んでいるんだな…と。調べていくうちに、箱貸しだけじゃない工夫の余地がすごくたくさんあるということに気付いたんです。

それで、ホスピタリティ、スポンサー、飲食、物販。そういった要素を、お客様にとって良いものとは具体的にどういったものなのか、手探りながらも勉強して積み上げていきました。



愛知国際アリーナが目指すビジョン

「Beyond Arena」を通して一生思い出に残る新たな顧客体験を

ーー株式会社愛知国際アリーナが目指すコンセプトについて教えてください。

「Beyond Arena」というキーワードを提案時から掲げています。今までの、ただ貸すだけ、借りるだけの体育館のような利用ではなく、このアリーナだからこそできる新しい体験や、今まで知らなかった自分なりの楽しみ方に気付けるとか、そういった価値を創造して、来場してくださったお客様に喜んでもらえるように新しく変革をする。そういった変革の暁にある、地域や日本の発展、未来につながるような、Beyondするアリーナをめざす、ということが会社のコンセプトとなっています。

ドコモでは以前から、自分の目で見てリアルな熱狂を感じながらも、スマホやタブレットを活用して別目線で情報を得られるマルチアングル観戦体験など、様々なトライアルを実施してきたこともあり、リアルとデジタルとをかけ合わせることで新しい価値を生み出す、ということが具体的にやりたいことの1つ。

Beyond Arenaの実現に向けて、まずはお客様が楽しめる空間を実現すべく、海外のアリーナを参考にした充実したホスピタリティ空間や、見やすい観客席など、しっかりした設計に基づいてハードを整備するとともに、ソフトとしても楽しめるようなICT活用を組み合わせて実現していく、というのが重要な取り組みだと考えています。


地域の方々に「自慢のアリーナ!」と誇ってもらえるように

それから、愛知・名古屋に建つからにはやはり住民の皆さんに胸張って「自慢のアリーナできたんだよ!」と言ってもらいたい。最終的には、「愛知にこのアリーナができてよかったね」と住民・県民の皆様に喜んでいただいて、来場者の皆さんも一生の思い出に残るような体験をして帰っていただける、そんなアリーナにしたいです。


愛知国際アリーナの特徴

色々な方に使って喜んでもらえる多目的アリーナ

ーー従来のアリーナと比べて、ハード面ではどういった特徴がありますか?

大きな方針として、我々は計画時点から海外でエンターテイメント性高く興業を開催できているアリーナを参考にしています。チームのメンバーであるAEG*が、それを具体的に所有・運営する実績を持っているので、その経験を加味しながら、来場者様や興行主様にとって良いアリーナというものを、座席やコンコース、ホスピタリティエリアトータルでの上質な顧客体験を、企画段階から考えて設計しています。

(*AEG…アンシュッツ・エンターテイメント・グループ。世界各国でのアリーナ施設の保有・運営から、音楽・スポーツ等のライブイベント興行開催、アリーナを核とした都市開発など、グローバルで多岐に渡るビジネスを展開する世界トップのスポーツ・エンターテイメント企業。)


具体的には、多目的に、色々な興行が開催できること。音楽・スポーツ・その他MICE*と呼ばれる会合、これら含めてフレキシブルに開催できるように座席が可動式になっています。ステージ設営によって見えなくなってしまうような使えない席がなく、音楽もスポーツも転換しやすい。色々な方に使って喜んでいただけるようにする多目的アリーナとしての基礎部分になります。

(*MICE…企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議 (Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を使った造語で、これらのビジネスイベントの総称。)

さらに、ご来場の皆様に楽しんで頂けるよう、充実した飲食店舗やホスピタリティエリアにおいて、観戦鑑賞の合間で自分の楽しみを見つけられるように工夫。スイートルームでは企業の皆様をメインターゲットに、感動体験を共有するからこそ生まれる新しいビジネス創造の場となるような空間を企画しています。

ご来場頂く方はそれぞれ様々な想いを持っていらっしゃるかと思いますので、皆さん全員が、自分の期待する楽しみかたで楽しんでいただけるような、そういった価値を提供できるように組み立てています。

また、興行主様目線では、設営や演出工夫がしやすい設計・設備にするなど、使っていただく皆様にとっても喜んで頂ける仕組みを考えて設計しています。




”愛知国際アリーナだからこそ”楽しめる特別感を

ーーソフト面ではどのような特徴がありますか?

先ほどの話にも繋がりますが、絶対に安心・安全に使っていただけるというご案内はもちろんのこと、そのプラスαで、このアリーナだからこそ楽しめる特別感を作っていけたらと思っています。飲食、ホスピタリティでは、ICTをかけあわせたちょっと未来の体験を、より便利に、より楽しく。そういったアリーナ内での体験をしていただきたいと思っています。

また、観戦・鑑賞体験がより面白くなるようなICTとの掛け合わせを興行主の皆様とご相談しながら進めていければと思っています。

(図. コンサート開催時のイメージ画像)



愛知国際アリーナの組織風土

それぞれ異なる視点で意見を出し合い、自ら率先して動いていく組織

ーー現在、愛知国際アリーナはどのような組織風土ですか?

コンソーシアム企業7社の組み合わせでできていることもあって、やはりそれぞれの出資会社の文化やルールが融合してできている会社。関わっている人たちそれぞれが異なるバックボーンを持つ中で、それぞれの視点で意見を出し合える、というところは、1つの会社で働くよりも多角的な視点で物事を考えられるきっかけになります。それは今の会社の中でも根付かせて、それぞれの皆さんの意見や想いがベースにあって、それを行動に移していける会社をしっかり作っていきたいと思っています。

あとは、チャレンジ姿勢。新しいことをやろうとしているので、お客様の価値の追求や、今までやったことがないことへの挑戦、自分で率先して動く取組姿勢、というのがこの会社の組織の特徴だと思います。


ーーでは、今後はどういった組織を作っていきたいですか?

このプロジェクトに関わるみんなそれぞれが、自分の実現すべきことに向けて、想いを込めてアウトプットできるような組織にしていきたい。その結果、お客様に対して新しい価値を提供していけるような、そういった自律性の高い会社を作っていきたいなと思っています。


ーー素敵ですね。なぜそのような組織にしていきたいと考えているのでしょうか?

個人の想いは大事なので。やっぱりエンターテイメントですし、新しいことをやるということは個々の想いを込めて良いものを作ってお客様に喜んでいただくという熱意が大事だと思います。


これからの展望と一緒に働きたい方のイメージ

試行錯誤の結果、アリーナが生まれる瞬間をともに

ーー開業2年前を切った中で、開業に向けてこれからの展望について教えてください。

この2年の過ごし方は非常に重要です。

まず建物を必ず2025年3月に完成させて、遅延なくオープンさせる。そこにはしっかりと意思を込める。さらに、オープンさせた後の運営。安心安全は確立した上で、お客様により楽しんで頂けるような運営づくり。これがすごく大事な期間になってくると思っています。

オープン前後は、見えていなかった課題がどうしても出てくると思いますが、そういうところは解決しながら、やりたいことを企画・実現していく。これを両輪で回して、運営開始時点で困らないように準備する、ということがこの2年間で重要なところです。

計画的に進め、全部やり切ること。各個人の想いを込めること、そしてそれをアウトプットして形にすること。出来上がったその姿をみて皆で喜ぶ姿を想像しつつ、そのゴール感を持ってやっていきたいですね。


ーー開業前(創業フェーズ)に入社する醍醐味とは?

まさに、日々新しい発見が多い。課題解決でも、新しくやりたいことの企画でも気づきがすごく多いので、そういった発見を自分なりに見つけてキャッチして、新しい価値創造に向けて進んでいく。能動的に動いて、新しい価値に転換していく。そういった一歩をみんなが歩むことができる。

その結果生まれるものは、まさに自分たちの作ったアウトプットそのものなので、その試行錯誤・苦労の結果、生まれる瞬間が見られるということが醍醐味だと思います。生まれたものはわが子のように可愛く、皆さんにも喜んでいただけるようなアリーナにしていこうと改めて思えるだろうなと思いますね。できあがった瞬間の感動はすごく大きなやりがいだと思います。

シンボリックな建物が新しく建つ瞬間はすごく貴重な経験。相当レアな瞬間ですよ。



それぞれが持つ経験や知見を存分に発揮して巻き込んでいってほしい

ーー愛知国際アリーナに入社する未来の社員にどんなことを期待していますか?

皆さんそれぞれの想いを新しいチームの中で存分に発揮してもらえるように、自らの意見やアイデア、持っているノウハウを発信して巻き込んでいってほしいなと思います。

周りも相互にサポ―トして、みんなでアウトプットをより良くする検討ができるような、そういった組織風土にしていきたいので、ぜひ想いを持った方にメンバ―になっていただきたいです。



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取材・執筆:井内律花


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