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フリーランス協会さんのフリーランス白書2024が発表されたので最新のフリーランス動向をザクッと解説

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

さて、今年も昨今のフリーランス周辺の動向をアンケート調査を実施して、それらの結果をグラフィカルな図表でまとめてくれる「フリーランス白書2024」が発表されました。

フリーランスの皆さんや、フリーランスと連携したりフリーランスを対象にしたビジネスを展開されている人にとって、非常にありがたい情報源です。

毎年フリーランス白書を集計・編集して下さっているフリーランス協会さんには頭が上がりませんね。

さて、実際の詳しいデータや概要などは本家をご参照ください。
フリーランス協会のプレスリリース
フリーランス白書2024(全文)
フリーランス白書2024 自由回答一覧

この記事では、フリーランス目線で今回のフリーランス白書2024の結果から今現在のフリーランスをとりまく環境・動向がどうなっているかを解説していきたいと思います。

フリーランス白書2024で感じたフリーランス動向重要要点

現在の収入は「200-400万円未満」が一番多くて26.8%

やはり一番興味があるのは今、フリーランスは稼げているかどうか?でしょうか。

現在の収入をフリーランスにアンケートをとったところ、「200-400万円未満」が一番多くて【26.8%】という結果になりました。


【フリーランス協会さんのフリーランス白書2024より抜粋】

次に多いのが、200万円未満で17.9%、その次に多いのが400-600万円未満で【15.8%】になりました。

昨年までの結果と比べて、さすがに劇的に変化があるわけではありませんが、皆さんはどう感じましたでしょうか?

あまり稼げていないなという印象でしょうか?

結構稼げているなという印象でしょうか?

ちなみにこの収入は「経費控除前の売り上げ」でアンケートを取っています。

ここから経費を引くわけですし、さらに税金も引かれますから、実際に手元に残るお金はもう少し少なくなるわけです。

もちろん専業か兼業かによっても違いますし、経費を差し引いての金額か、そうでないかによっても印象も変わるでしょうし、平均値と中央値を見るとさらに印象が変わってくるかもしれません。

ちなみにじぶんの感想としては、専業のフリーランスでこの平均収入だと、だいぶ生活が苦しいのではなかろうかという感想です。

自分の周りはかなり成功されたフリーランスが多かったので、少し意外な結果とも感じました。

ちなみにお金の情報を発信するサイト「まねーぶ」の調査によるとフリーランスの全体の平均年収は205万円だそうです。

国税庁が発表した「令和3年分 民間給与実態調査」によると、会社員の平均年収は463.3万円のため、フリーランスは会社員の半分以下です。

このあたりが、フリーランスの社会的な信用が低かったりする所以かもしれません。

しかし、フリーランスは経営者の一面もあり、平均値は低くても中央値はかなり大きくなると予想しています。

一部少数ではあるものの、一部のフリーランスがかなり大きなお金を稼げているためです。

サラリーマンですと、どんなに優秀であっても年収は1,000万円から、どんなに頑張っても1,500万円といったところでしょう。

また、節税対策が可能であることや働き方やプライベートの自由時間などの設計が自由自在であることは、お金以上のメリットであることも見逃せません。

月間稼働時間は「140~200時間未満」が一番多くて32.4%

次に月間稼働時間です。

要はフリーランスの皆さんは月にどのくらい働いているのかなというデータです。

これも興味ありますよね。


【フリーランス協会さんのフリーランス白書2024より抜粋】

「140~200時間未満」が一番多くて【32.4%】という結果になりました。
「20~60時間未満」が次に多くて【22.1%】という結果です。

ちなみに、月の平日だけ朝9時から18時まで昼食時間を1時間のぞいて働くとすると1日8時間稼働で、×平日の20日間で160時間稼働ということになります。

専業フリーランスで、ある程度仕事があれば、だいたい月に160時間前後稼働することになるので、想像通りのデータといえそうですね。

ただデータだと20~60時間未満の割合も大きく、140時間未満の稼働の割合が半数以上にのぼります。

これはもちろん専業・兼業というのもあるでしょうし、稼働したくても仕事が無いという状態のフリーランスもかなりの割合いるのではないかなと考えています。

スキル不足で仕事にありつけないのは仕方ない事ですけど・・・働き手を欲している事業主と働きたいフリーランスとのマッチングがうまくかみあっていないとすると実にもったいないことですね。

特に今は人手不足がさけばれていますからね。

クラウドソーシングサービスや人材エージェントサービス以外にも、多くのマッチングサービスが普及して、日本のフリーランス市場の生産性が上がる事を願ってやみません。

また、この復業推進メディア「ウィズパラ」を運営するParaWorksでも、常に一緒に働けるスキルがあって誠実なフリーランスの仲間を求めていますのでご興味があれば、コンタクトをとってきていただければと思います。

最も収入が得られる仕事の獲得経路は「過去・現在の取引先」と「人脈」で50%以上

次にフリーランスが仕事を獲得した経路のデータです。


【フリーランス協会さんのフリーランス白書2024より抜粋】

このデータは納得な一面、びっくりな一面もあります。

というのは、自分に置き換えた時に今までの仕事のほとんどが確かに「過去・現在の取引先」と「人脈」だからです。

びっくりな一面というのは、「過去・現在の取引先」と「人脈」だけで仕事を得ているのは自分だけで、他の人はもっとエージェントサービスやクラウドソーシングサービスで仕事を得ていると思ったからです。

他の人も同じく「過去・現在の取引先」と「人脈」が仕事獲得の第一選択肢なのだなと少しビックリしました。

確かに単純に仕事が得やすい得にくいの前に、「過去・現在の取引先」と「人脈」以外で獲得した仕事は、少しリスキーだなという印象があります。

たとえばクラウドソーシングの利用ですが・・・

クラウドソーシングプラットフォームは仕事の発注者側の立場があまりに強すぎるため、仕事の受け手側の立場が弱く、案件の条件がかなりシビアになる傾向があると感じます。

あとは、やはりどのような人か判断できない・しづらい状況で仕事になるため、予想外のトラブルに発展しやすいとも感じています。

その点、「過去・現在の取引先」「人脈」であれば、仕事相手の素性がわかっていて、ある程度、信頼や保証もされているので、仕事を取り組みやすいですよね。

これは必ずしもフリーランスの仕事獲得経路が「過去・現在の取引先」「人脈」にかたよるのは仕事を得やすいという理由だけではないということなのでしょう。

フリーランス新法の認知度は83.6%

みなさんは、もうフリーランス新法が施行されたのはご存知でしょうか?

フリーランス新法とは、フリーランスの取引を適正化し、安定した労働環境を整備するため、発注者に業務委託の遵守事項などを定める法律です。

2023年2月に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案(フリーランス・事業者間取引適正化等法案)」として閣議決定され、4月28日の参議院本会議で可決されました。

フリーランス新法の制定には、取引上、法人に対する立場の弱いフリーランスの労働環境を改善するとともに、多様な働き方に対応する目的があります。

そのためフリーランス新法では、フリーランスが受託した業務で安心して働けるための制約や、事業者が業務委託を行う際フリーランスが不当に扱われないための遵守事項などが定められています。

フリーランス白書2024によると、フリーランス新法の認知度は83.6%にのぼる結果となり、感心の高さがうかがえますが、理解度となると33.7%に落ち込みます。


【フリーランス協会さんのフリーランス白書2024より抜粋】

罰則が少なく、抑止効果は期待できないという声もありますが、フリーランス新法が施行される事で、法律による保護という観点だけでなく、フリーランスの働き方を保護する力が働いていることが世間に認知されることに意義があると感じています。

ちなみに、フリーランス新法が施行される契機となった、フリーランスが働くうえで遭遇する、トラブルとはどのようなケースがあるのでしょうか。

例えば発注側のクライアント企業による、一方的な発注取り消しや報酬減額、買いたたき・・・

その他にも支払いの遅延、一方的な仕様変更、解約などなど今までは泣き寝入りするしかなかったフリーランスもこれからはフリーランス新法の影響で、このような機会に見舞われる事が少しでも減ればと願うばかりです。

インボイス制度の認知者は94.4%

さすがにこの期におよんでインボイス制度ってなんぞやっという人は少数派のようですね。

さて、次に実際の登録書ですが、2023年10月時点でのインボイス登録申請意向者は予定者を含めて48.4%、34.9%は免税事業者を継続する意向という結果になりました。


【フリーランス協会さんのフリーランス白書2024より抜粋】

自分の感想としては意外に皆さん登録するんだなという印象です。

ちなみに自分は免税事業者を継続(インボイスに登録せず)という選択をしました。

その決断で仕事に影響が出たか出なかったというと、少しだけ出たというのが結論です。

インボイス登録をしなかったことで、クライアントが一社だけ離れました・・。

インボイス登録申請済みの人の登録理由は「取引への影響への不安」が43%で最も高かったようです。

その他にも、外部からの要請(取引先から要請があった、税理士に勧められた)が20.6%

信用力向上、新規案件を獲得したいなどの理由でインボイス登録をした人が13.2%

もともと課税事業者の人が13.7%という結果になりました。

正直、この制度は実質増税で、フリーランスにとってはあまり利益のある制度ではありませんでしたね。

とはいえ、規則は規則ですし、免税事業者のままでいることを選択できるというのは、まだ救いといったところでしょうか。

その他にも今回はインボイス制度が開始されて初回ということもあり、インボイス関連のアンケート集計結果が非常に多く集計されていました。

・【職種別】インボイス登録申請状況
インボイス登録申請割合を上位5種の職種別にみると、「コンサルティング系」が約6割で最多。
次いで「エンジニア系」「通訳翻訳系」「クリエイティブ系」「出版・メディア系」と続く

・【年収別】インボイス登録申請状況
インボイス登録申請割合を年収別にみると、年収の増加に応じて登録申請割合も増えるている。
年収1000万円以上でも、インボイス登録するつもりはないという人が1割程度存在する。

・インボイス制度の登録理由
インボイス登録申請済みの人の登録理由は「取引への影響への不安」が43%で最も高かった。

・インボイス登録申請者・申請予定者の価格転嫁状況
インボイス登録者及び登録予定者のうち、価格転嫁できたのは17.2%、特に値上げ交渉はしていないが69.4%。

・免税事業者に対する契約打ち切りや報酬値下げの状況
56%の免税事業者がインボイス施行前と同じ報酬で取引を継続できているが、17.3%が一方的に契約解除や報酬値下げをされている。

・値下げ強要された免税事業者の取引継続意向
5割の免税事業者が、報酬を値下げされたら「取引の継続を見直す」と回答。

・発注者からのインボイス登録の確認状況
2023年10月時点で発注者からインボイス登録有無を確認されたフリーランスは7割。逆に、3割弱がまだインボイス対応について協議できていない可能性も。

・簡易課税制度の理解度と申請状況
簡易課税制度の理解度は約7割、申請者は2割にとどまる。

・インボイス施行によるトラブルや困り事
実際にトラブルを経験した人は15.3%である一方、現時点でトラブルはなくても漠然とした不安や心配を抱えている人が36.7%いる。

ということで、ついに始まったインボイス制度・・・我々現場のフリーランスからすれば何の恩恵もない制度。
そして取引先クライアントとの軋轢も生じかねない制度というのが明るみになりました。

業務に関わる怪我・病気をしたことがあるは11.6%

この調査では業務に起因する怪我や病気で通院した経験があるフリーランスが11.6%なりました。
業務起因の「怪我」と「病気」の経験者割合は、ともに45.1%でほぼ半々という結果でした。

怪我は、業務中だけでなく、仕事に向かう移動中にも多く発生しているようで、
病気では、長時間労働による腰、首、手首の痛みや、感染症罹患が多いようです。

怪我は業種によるかなというのが率直な印象です。

我々のようなWeb系のフリーランスではあまり業務中のケガというのは生じにくいですが・・・業種によっては怪我リスクが高いお仕事もありそうです。

身体の健康面・病気も心配ですが、じぶんが一番気になっているのはメンタルヘルスですかね。

ブラック企業に勤めていたときほどのストレスとは無縁ですが、やはり完全に皆無とは言えず、一部の理不尽なクライアントとの付き合いで精神がすり減ることがたまにありますので・・。

フリーランスはじぶんの身は自分で守る精神が必要です。皆さんもお気をつけて。

学習したいものを諦めた経験があるは68.1%

今回のフリーランス白書ではフリーランスのスキル学習ニーズに関する調査が行われました。

スキルアップのための学びのニーズでは、フリーランスの97.8%がスキルアップのための学習が必要だと感じており、97.1%が今後1年以内の学習意欲を持っているようです。


【フリーランス協会さんのフリーランス白書2024より抜粋】

凄い数値ですよね、ほぼフリーランスの全員がスキル学習の意欲を持っているようです。

当然ですかね、学習意欲が無いフリーランスはあっというまに淘汰されてしまうということなのでしょう。

しかし「学習したいものを諦めた経験があるは68.1%」気になるデータもあります。

「フリーランスとして働きながら学ぶ上での課題」という設問では「時間と費用の確保」に課題を感じている人が多いという結果になりました。

働きながら学ぶ上での課題解決のためにあったらよいと思う支援として

・教育訓練給付補助金
・助成金等の学費支援仲間
・コミュニティ相談
・情報実践の機会
・職業訓練育児・介護両立支援
・キャリアコンサルティング

というニーズが寄せられました。

これだけ時代の変化スピードが早いと、自分が稼げていたスキルが陳腐化するスピードも当然早くなります。

稼ぎながら学び、学びながら稼ぐのサイクルを引退するその日まで続ける必要があるのでしょう。

リスキリングとキャリアチェンジ戦略は、フリーランス人生を続ける上での必須のテーマになってしまったようです。

まとめ

肌感でフリーランスを取り巻く外部環境の変化は、激しさは増すばかりといった感じがします。

何が起きているかを客観的な数字で把握できるというのは、本当に意義深い事だと思います。

改めて毎年フリーランス白書をまとめてくださっているフリーランス協会さんには感謝ですね。

フリーランスは受け身でいると1人浦島太郎になりかねませんからね・・。

周りのフリーランスは、今どのような状況なのか・・未来に対してどのような備えが必要で、今現在どのようなアクションが取れるのか。

フリーランス白書をにらみながらひとり戦略会議を開催してみましょう。

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