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10年以上共に研究してきた仲間と、社会へ成果を出していく達成感

最先端の光学素子製造の共同研究を進めるため、東京大学と夏目光学株式会社はこの春、同大学先端科学技術研究センターに研究室を設立しました。
同センター所属の本山特任講師が修士課程の学生だった頃から、夏目光学株式会社の平栗課長と松澤係長は、若手社員として同大学と共に研究に取り組んできたという経緯があります。
東京大学へ出向した新入社員時代の話、大学と共に研究できることの魅力、企業とタッグを組んで研究を突き詰めてゆく面白さなどについて、お話を伺いました。

若手研究者として出会い、光学のものづくりを探求した日々

松澤:2012年ぐらいから、東大と夏目光学のやり取りはスタートしたんですよね。私が入社したのが2013年4月で、当時研究開発グループに配属されました。その三か月後、東京大学の三村先生のところへ出向という形で配属され、三か月間共同研究者としてお世話になっていました。当時、本山さんは、まだ修士課程の学生でしたよね。確か、本山さんが22歳で、私が24歳だったかと。

本山:もうかれこれ、約10年前になりますかね?

松澤:ですね。当時私は、全くものづくりに精通していなかったので、出向して本当に一からいろいろ教えていただきましたね。その三か月間、研究室の皆さんにお世話になって、とても貴重な経験をさせて頂いて。

本山:あれは、たった三ヶ月間だけでしたっけ?

松澤:はい、そうなんですよ。その後私は、自社に戻り2年ほど、 2016年までそういった経験を生かして、自社の仕事に従事していたんですが、その後、三村先生から博士課程の学生として研究室に来ないかという話をいただき、2016年から2019年まで3年間、社会人の大学院生というくくりで東京大学に入学しお世話になっていました。入社して10年を超えましたが、そう言った経緯で、今まで東京大学の皆さまとは、すごく深く繋がらせていただいて、たくさん勉強させていただきましたね。

本山:長い付き合いになりますね。私は、2012年に学部生として三村研究室に配属されて、そこからもう10年以上経ちます。確か、松沢さんより平栗さんに最初にお会いしたと記憶しています。

平栗:ええ、そうでしたね。私は、東京大学への出向などはしなかったのですが、夏目光学の社員として、ずっと三村先生と共に研究を進めてきました。本当に最初の頃から一緒にやらせていただいてます。当時研究室に、初期メンバーの方がいらっしゃったんですが、その方から「マンドレル」と呼んでいる研究テーマの型となるものを作りたいという相談が弊社に転がり込んで来ましてね。そして、それをどうやって作るのか考えるに際に、先生とお話する機会がありまして、それが東大三村研究室との最初の出会いでしたね。それから、研究のテーマや、その背景、将来像などを伺いながら、研究室を訪問させていただいて、いろんな技術を見せていただきました。

本山:そうでしたね。振り返ると、懐かしいですね。

平栗:ですよね。そして、そのマンドレルを作るというテーマとは別に、私は当時、精密にものを作り込むという技術テーマも抱えていたんです。非常に細かなものを高精度で作らなきゃいけなくて、なかなか直接加工するのが難しいものだったのですが、それに関しても三村先生の研究室に力を貸していただいたんです。現在、非常にコアな技術にもなっている、当時三村先生が研究されていた『精密なものの光学の面を転写する技術』を、先生の研究でお聞きしたんです。その技術は非常に興味深くて、自分が取り組んでいたテーマに使えるんじゃないかと考えたりしました。そういうこともあり、先生の技術に非常に興味を持ちましたね。

松澤:そんなこともあったんですね。

平栗:ええ。今現在はX線ミラーの製造技術として、もうすでに実用化まで進んでおり、当時得た小さなきっかけが、10年も経つと実用化されるというのは感慨深く、今こうして研究してきた過程を振り返ると、懐かしいですね。

ここでしかできないものづくりを通して、新しい領域へ踏み出す

本山:この研究室が生まれたことで、やれることがたくさんありますよね。私は、光学素子を自分で作ることも、プロである夏目光学さんに作ってもらうこともありますが、その光学素子を使ってさまざまな実験をする上で、よくシミュレーションの技術を使います。光って、かなりシミュレーションが正確にできるんです。計算機上でシミュレーションすると、その現象が実際に実験結果としてその通りあらわれる。なので、実際の光学系を検討する時に、シミュレーション技術をよく使うんです。しかし、シミュレーション上では実現できても、実際には実現できない形状のミラーやレンズもあるんです。理論上はできるはずなのに、実際にはできない。研究を進めていくと、そのような壁にぶつかることがあるのですが、夏目光学さんと一緒に、これから自由曲面や複雑形状などの、自由度が高いさまざまな光学素子を作れるようになれば、今まではシミュレーション上でしかできなかったものが、実現できるようになるかもしれない。できるはずだと頭の中でずっと考えてきたことが、どんどん現実味を帯び、具体化させていけると思うと、未知の領域を開拓していく研究の醍醐味を感じます。シミュレーションでしか出来なかったことが実際できると、本当に嬉しいものなんです。

松澤:理論上ではできるはずなのに、これまでできなかったものもたくさんあって。そういったものが実現できると、大きな手ごたえを感じますよね。本山先生は、いろいろな形の素子を想定してシミュレーションしたり、設計したりできる方なので、「こういったことに使いたいんだけど、ここができない」、というように具体的に相談をしていただけるんですね。実験結果をフィードバックしていただける関係なので、我々は先生とタッグ組む形で、実現に向けて興味を持って取り組んでいける。そして、シミュレーションや設計上で出きた複雑形状のものを、我々も一緒になって実現させていき、その成果も共有できる。このような形で研究に貢献でき、達成感を得られるということを、私自身今まで経験してきました。これから入社してくる若い方たちにも、ぜひそういう経験をさせてあげたいですね。

本山:やりがいを感じながら仕事できるのは、いい環境ですよね。

松澤:はい。世界一のものづくり、ここでしかできないものづくりを通して、研究に勤しむ先生方の考えたものを実現させ、世の中で役に立つまでの過程に携われる仕事です。研究の面白さを肌で感じられる仕事だということを、これからの若い方たちに伝えていきたいです。

平栗:そうですよね。私は、入社以来この会社でものづくりを進めてきましたが、今、世の中の物づくりの形が変わってきて、自動化・機械化が非常に進んできたことを実感しています。三村先生や細江社長もおっしゃっていましたが、そういった中で、非常に価値の高い実用性のある価値の高い光学素子は、まだまだ人の手で作っている部分が多いですよね。少量のものを、時間をかけて作っている状況です。簡単なことではありませんが、これから光学素子製造の分野においても、世の中の動きに倣って自動化・機械化を進めていけば、短時間で大量に実用性の高いものが簡単に手に入るような製造技術が実現できると思うんです。そういったところに、弊社のコアの技術が活かされ、世の中に貢献できたら非常に面白いなと期待しています。だんだん人がものを作らなくなっていくと、薄利多売になってくるわけですが、本当に価値あるもの、必要性のあるものが、安く早く手に入る世の中に変わっていくことは、進歩であり、やはりいいことだと思うんです。そういった技術開発の部分に携われることが、今後の楽しみと考えています。

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