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【代表インタビュー】ガムシャラに、粛々と。CEO相原嘉夫が語るIVAの軌跡と展望

今回は創業者CEOの相原嘉夫に生い立ちやIVAの創業秘話、事業にかける想いをインタビューしました。


■プロフィール

1995年生まれ。大学時代に起業し事業譲渡を経験。2019年に成長を続けるファッション市場と、市場の抱える「フェイク問題」という巨大なペインに目をつけ、ヒトとAIを掛け合わせた真贋鑑定サービス「フェイクバスターズ」を立ち上げ、IVA株式会社を設立。2023年 Forbes 30 Under 30 Japanに選出。日本語・中国語のバイリンガル。

野球が大好きな、目立ちたがり屋な少年

ーまずは学生時代のお話を聞かせてください。

父の仕事の関係で、生まれたときから中学卒業まで台湾に住んでいました。台湾台北にある日本人学校に通っていたのですが、野球部のキャプテンや体育祭の応援団長を務めるなど幼い頃から活発で目立ちたがり屋だったと思います。言葉だけでチームを引っ張っていくことは難しく、幼いながらも自分自身の行動をもって体現していくことが重要だと学びましたね。大変ではありましたが、全員が力を合わせたときのパワーと一体感に感動した記憶があります。しかし、それと同時にリーダーという立ち位置へのプレッシャーも僅かながら感じていました。先頭に立つ者は手本でなければならない、ストイックな存在であるべきだと思っていました。

よく質問いただくのですが、中国語が話せるのはこの幼少期に台湾に住んでいた経験からです。


ー創業の経緯を教えてください。

23歳でIVAを創業したのですが、当時は自分の人生の中で何も成し遂げていないことに対する退屈さと漠然とした危機感を感じていました。ともかく成し遂げたいという想いが大きかったです。父の背中を見て育ったせいか、もともと何かビジネスをやりたいという気持ちはあったので、大学時代に1社目となるアパレルの輸出事業をメインとする会社を立ち上げました。当時は大学生でしたし、これといった強みやアセットはありませんでした。そのため、身近にあったリユースに目をつけ、まずはここからミニマムで挑戦してみようと考え、始めた事業です。国内で仕入れた商品を海外企業に向けてバルクで販売していましたが、取扱高こそ大きい割にこのビジネスモデルは利益率が悪く、在庫リスクを常に抱えていました。それがキャッシュフローを圧迫し、安定した収益に繋がらなかったんですよね。加えて、偽物を掴まされるリスクも常について回っていて、ともかく日々大変だった記憶です。この偽物リスクを解消するために、知人の鑑定士に依頼して鑑定してもらっていましたが、鑑定の信頼性やオペレーションの構築が未熟だったこともあり、ものすごく非効率的でした。実は、今のIVAは1社目で自分自身が直面したこういった苦悩から着想した事業です。元々ビジネスチャンスを探すことが好きだったのですが、この時は「これだ!」という感覚がありましたね。


ー自身の経験や強みをビジネスに落とし込んだのですね

そうですね。現在、業務提携させていただいているリユース企業様が多くありますが、自分自身が経験して抱えていた悩みでもあるので、業界に対する解像度も高く、利用促進や新規提案はしやすかったです。また、IVAが求めるレベルの鑑定士がそもそも希少なため、チームビルディングの際はCOOの魯と難航しながらもなんとかやり切りましたが、それが結果的に参入障壁を高め、競合が少ないことに繋がっていると思います。なので、市場はまさにブルーオーシャンだと感じています。偽物は海外製がほとんどですし、優秀な鑑定士は海外の方であることも多かったのですが、僕は幸いにも中国語が話せることもあって、そもそも外国語に抵抗がなかったので、創業初期から国内外と仕事することに全く違和感はありませんでした。

昨年11月に、中国法人を設立しましたが、今後は中国のみならず、韓国、北米とマーケットの大きい地域も攻めていきたいです。海外進出のルールとして、現在は基本的に現地在住の人を中心に採用を進めています。というのも、現地の人にしか分からない習慣やカルチャーって沢山あると思っていて、プロダクトもマーケティングもローカライズしていかないと本当の意味で愛されて、使っていただけるサービスは作れないと考えています。


ー1社目の経験からIVAの創業に活きたことはありますか?

沢山あります。1社目で痛感して学んだ改善すべき点は全て改善しましたね。まずコストを最大限圧縮しました。今でこそグローバルで総勢70名弱のメンバーと一緒に働けていますが、IVAはスリム化を常に意識してきていて、メンバーを少数精鋭にするなど、ランニングコストが無駄に上がらないように様々な工夫をしています。実際、これまでも従業員数が事業規模に対して相対的に少ないと驚いていただけることがあるのですが、内心嬉しいです。他にも1社目で一番ネックだった在庫リスクと利益率の部分も改善しました。在庫を抱えない且つ利益率の高いビジネスモデルにしました。創業した2019年当時はスニーカー市場が破竹の勢いで拡大している最中だったのですが、そのスニーカー市場で在庫リスク無く稼ぐには、と考えて、巨大なペインも同時に存在していた「真贋鑑定」に着目しました。今でこそ実物をもとにした鑑定も実施していますが、IVAの最大の独自性は画像だけで鑑定を行える点だったりもしていて、ともかくタイムパフォーマンスが良いので、高利益率にも直結しました。このようにIVAは1社目で培った経験が糧になったので、初期フェーズにおいては最適解に最短距離で進むことができました。


ーIVAの社名にはどのような意味が込められていますか?

これは「Independent Verification Agency」の頭文字から来ています。独立鑑定機関という意味ですが、第三者的な中立な立場から、恣意的な結果にならず、正しい鑑定結果を毅然と出して続けていく機関という思いを込めてIVA株式会社としました。この社名の由来については、あまり公に言ってこなかったので、社員からは「I’m Very AIHARAだと思ってました」と言われたことがあります(笑)


モノが持つ本来の価値やポテンシャルを最大限解放していくことがIVAの使命

ー仕事のやりがいを教えてください

やりがいを一つに絞るのは難しいですが、最近は提携企業様が増えたことにやりがいを感じたりしますね。大変有難いことに業務提携したいというお問い合わせを日々いただいているのですが、商談すると成約率も高いんですよね。80〜90%くらいかな?真贋という深刻な課題をクリティカルに解決できるビジネスで、この課題を解決できるサービスがグローバルで見ても他にはほとんど存在しないことが高い成約率に繋がっていると分析していますが、このようにフェイクバスターズが提携企業様を通じて、多くの人を助けるサービスであることは大変嬉しいです。社会貢献などといった大それた話をするにはまだ早いと思っていますが、自分たちのステークホルダーの輪を徐々に広げていければ、それが最終的には社会貢献にも繋がると思うので、今はともかく事業にひたむきに向き合い続けることが重要だと思っています。


ー創業以来5期連続黒字とお聞きしました。ビジネスとしてかなり順調に見えますが、陰ながら苦労したことなどはありますか?

苦労したと感じたことは特にありませんが、会社を推進していくために必要なこと全てを自分自身でハンドリングしてきたことは、振り返れば大変だったかもしれないですね。会社の進む方向性を決める意思決定はもちろんですが、昨年にメルカリ等から実施した資金調達も私が主導して行っていましたし、バックオフィス系の内部の整理から、新規顧客の開拓、フォローアップなどといったセールスやBizDevの領域も自分でやっていることがいまだあります。改めて整理するとなかなかプレイヤーですね(笑)

他には、事業が拡大するにつれてメンバーが増え、オフィスの拡大が必要になったりと、固定費が指数関数的に増えてくるので、日々そこにプレッシャーは感じています。プレッシャーを感じるとやはり収益を追いたくなるんですよね。より稼がなきゃ、利益を出さなきゃみたいな気持ちになってきます。でも不思議なことにお金って追いかけると逃げていくんですよ。だから僕はお金は追いかけないと決めています。これまでと変わらず冷静にニーズを見極めて、良いもの、大きいものを作ることに軸足を置いて仕事をするようにしています。良いものを作ることができれば結果的にお金はついてきます。利益を上げなければいけないのに、利益を追ってはいけないのは難しいですね。


ーフェイクバスターズ、そしてIVAを通して実現したいことはなんですか?

ミッション・ビジョンの通り、「AI×ヒトの力で55兆円市場をハックし、 経済のポテンシャルを解放すること」です。多種多様なマーケットが混在する世の中で、購買行動における「安心」は必要不可欠です。しかし、年間55兆円分という途方もない量のフェイク品が市場で流通する中で、この安心が担保されていないケースが非常に多く見られており、グローバルで巨大なペインが存在しています。IVAは、この巨大なペインを立ち向かっていける稀有な存在として、真贋鑑定を通じて、モノが持つ本来の価値やポテンシャルを最大限解放していくことが使命だと考えています。このペインを解決していく過程において、フェイクバスターズというブランドが必ずしも前面に出ていなくても良いとも考えています。メルカリやスニダン、BOOKOFFなど、大きなプラットフォーマーの裏で、IVAが粛々と真贋鑑定を行うことによりマーケットの健全化がもの凄いスピードで進んでいく。そんな市場の要のような存在になりたいですね。

将来的なIPOに向けて、メンバーと共に挑戦や変化を楽しみたい


ー今後の展望について教えてください

まず足元では国内での提携先をさらに拡大していきたいです。昨年は有難いことに業務提携の問い合わせを沢山いただき、提携店舗も300店舗を突破しました。改めて偽物問題に悩む企業が多いことを実感しましたし、各提携企業様と密にコミュニケーションを取る中で、皆様がタイムリーに困ってることや、フィードバックを沢山いただけるので、サービスのブラッシュアップや、次のビジネスチャンスを発見するきっかけになっています。鑑定対象の拡大なんかはその一つで、今後は対象ブランドの拡大はもちろん、トレカ領域も網羅できるよう現在準備中です。近い将来、リユース業界でフェイクバスターズの鑑定を通すことがスタンダードになってくれたら嬉しいですね。中期的にはグローバル進出です。現在も台湾のUPや、韓国のOut of stockを初め、複数の海外企業と提携させていただいていますが、さらにアジアや北米の企業と提携を進めていきたいです。toC領域でも海外ユーザーの利用促進は大きな課題ですね。海外ユーザーにストレスなく使ってもらうにはよりカルチャーにフィットしたローカライズが必要ですし、多数の言語でのサポート体制も整えていかなければと思っています。長期的にはIPOも目指しています。もちろん現段階では足りない部分もまだまだ多いですが、自分たちのポテンシャルを信じて、多くの方を巻き込みながら、着実に前進していきたいと思っています。


ーどのような人と一緒に働きたいと思いますか?

挑戦や変化を楽しめる方ですね!IVAはまだまだ若いスタートアップ企業です。今後事業の拡大はもちろん、IPOを目指す中で社内の環境は目まぐるしく変わっていくと思われます。そのようなカオスな環境下でも、挑戦や変化を楽しめる方はマッチすると思います。万物流転の言葉の通り、この世に変化しないものは存在しません。上昇のチャンスを掴めるのは、変化から目を背けず、変化の波に乗れる人材だと感じています。仮に今日と明日でやることが全然変わっても「あ、面白い」と思える人が向いていると思いますね。あと僕の角度から組織を見ている感じ、今のIVAにはロジカルな思考とパッションを持ち合わせたメンバーが多いと感じるので、そういう方と一緒に働けたら最高ですね!


ーIVAで働く魅力を教えてください!

事業や会社と共に成長できる点です。IVAは日本の中でも伸びているスタートアップの一社だと自負しています。これからまさにグローバルに展開していくフェーズで、会社のど真ん中に立って事業をハンドリングしてグロースさせていく経験は、誰しもが経験できることではないと思っています。まだ若いスタートアップだからこそ、メンバーそれぞれの裁量権が大きい職場ですし、メンバー同士だけでなく、経営陣との距離も近いため、シームレスかつオープンなコミュニケーションが行える環境です。少しでもIVAに興味を持っていただけた人は、是非お話し聞きに来てください!めちゃめちゃウェルカムです!



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