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ADHDの基本解説: 初学者のための注意欠如・多動症ガイド

こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の小林です。

近年、代表的な発達障害としてADHDが注目を集めています。
本記事では、そんなADHDについてご紹介していきます。

ADHDの基本的な定義

ADHDはAttention-deficit/hyperactivity disorderの略です。日本語では、注意欠如多動症です。
注意欠陥多動性障害と略される場合もあります。注意欠如と多動症は別の症状ですが、これらがセットになってADHDとなっています。人によって注意欠如と多動症の強弱は異なりますが、多くの場合はどちらの症状もある程度出てくるので、ADHDの人は注意欠如と多動症の両方の症状が見られるということです。

ADHDの主な特徴

ADHDの主な特徴は、大きく2つに分けられます。上でご説明した通り、注意欠如と多動症です。まず注意欠如とは、集中力が続かない、ミスをしてしまう、上の空になってしまう、といった症状です。
一般的には注意力は本人の意識次第ですが、ADHDの症状がある人は自分の意志とは無関係に注意力が欠如してしまうということです。多動症はじっとしているのが苦手、衝動的に行動してしまう、といったことが挙げられます。

子どもの場合は授業中に立つなど明かな体の動きに現れるのでよりわかりやすく、大人の場合は貧乏ゆすりや深く考えずに判断するなどよくその人を観察しないとわかりにくい症状の場合もあります。

ADHDの診断

ADHDの診断は、セルフチェックで行う方法、医師の診断を受ける方法があります。セルフチェックシートはネットなどでも出回っていますが、本格的な診断を行う場合は病院に行く必要があります。
医師の診断では、カウンセリングを中心に、知能検査、心理検査、リハビリ評価などを行います。リハビリ評価とは、運動機能のチェックです。ADHDの人は運動機能に障害が出る場合もあるため、リハビリ評価によってADHDの診断に役立つ場合があるからです。

ただし同じADHDであっても、知能、心理、運動機能などに問題がない場合もあります。そのため、もっとも重要なのはカウンセリングと言えるでしょう。カウンセリングでは症状を判断するだけでなく、現状困っているかどうかも重要な指標になります。
同じような症状を持っていても、現状困っていればADHDと診断され、生活上問題なければADHDではないと診断される場合も多いでしょう。

大人と子どものADHD

大人と子どものADHDを比較すると、子どもの方が多動衝動が目立ちます。大人になると多動衝動は落ち着く傾向があります。子どもは多動衝動も不注意もあるのですが、子どもの場合はADHDでない子どもも大人と比べると注意力は低いため、目立たない場合が多いでしょう。

つまり子どもの方が全体的にADHDの症状ははっきり現れるものの、目立つのは多動衝動の方ということです。大人はADHDの症状を意識的に抑えることができますが、注意力の欠如は自力でカバーするのが難しいでしょう。
ただし大人でも多動衝動を抑えられないADHDの人もいるので、個人差があります。

治療とサポート

ADHDの治療は、心理教育や薬物治療があります。子どもの場合は学習することである程度改善が可能で、またある程度改善できれば生活に困らない場合も多いでしょう。
大人の場合は頭で理解して気を付けてもカバーできない部分が症状として現れていて、また仕事などではより正確性が求められるので自力ではどうにもできないケースも多いです。その結果、大人のADHD治療には薬物が用いられることが多いです。

また現在はADHDが社会的に認識されるようになっているので、周囲の人がADHDの特性を理解し、特性に合った役割を与えたり、ミスなどを想定して期待しすぎないことなども重要です。

ADHDと学校生活

ADHDの子どもは、学校で落ち着いて授業を受けることができない、忘れ物をたくさんしてしまう、衝動的に危ないことをしてしまう、といった問題を起こすことが多いでしょう。そのため、自分自身だけでなく周囲の子どもを困らせてしまう場合もあります。
ただし仕事のようにきっちりやらなければ周囲に大きな影響が生じる、自分の評価が大きく低下してしまう、といった状況は少ないです。そのため、ある程度ADHDの症状を矯正できれば学校生活では個性で済む場合も多いでしょう。

ADHDと日常生活

ADHDの人は日常生活で、注意力散漫、集中できない、優先順位を付けられない、感情をコントロールできない、といったことが起こりやすいです。その結果、重要なことを忘れてしまって困ったり、対人関係でトラブルを起こしてしまったりといったことが起こりやすいでしょう。

ADHDの男女比

ADHDの男女比はデータによって割合が異なります。また明確な統計データは存在しないでしょう。男女比が1:1程度という情報もあれば、3:1程度という情報もあります。同じくらいか、男性の方が多いとされる場合が多いです。
また子どものうちは男性が多いものの、成人すると男女比が同じくらいになるという情報もあります。しかしADHDは基本的に生まれつきの性質なので、突然発症するものではありません。
つまり、男性の場合は子どもの頃からADHDの症状が目立つ場合が多く、女性の場合は大人になってからADHDの症状が目立つ場合が多いと考えられます。その理由としては、多動衝動は男性の方が目立つからという理由が大きいでしょう。

多動衝動は子どもに多いため男性は子どもの頃からADHDの診断される場合が多く、大人になって注意欠陥が中心になると男女比が変わらなくなるということです。

ADHDと他の発達障害

発達障害にはADHD以外にも、自閉症スペクトラム(ASD)や学習障害(LD)があります。主にこの3つが発達障害に該当します。そして1つの発達障害だけでなく、複数の発達障害を併せ持つ人も多いです。

ASDは主に特定の物事への過度なこだわりや、他人の感情を理解できずに対人関係でトラブルを起こすといった症状が目立ちます。LDは学習能力全般には問題がないものの、文章の読み書きだけが極端に苦手、計算が極端に苦手、といったように特定の学習能力のみ極端に欠如している症状です。

ADHDは多動性や注意力の問題なので、同じ発達障害でもASDやLDとは症状が異なります。ただし他人に合わせるのが苦手という点ではASDと共通していて、特定のことができないという点ではLDと共通しています。

またADHD、ASD、LDは人それぞれ組み合わさって症状が出ている場合も多いため、どの症状がどの発達障害か明確に区分できない場合もあります。特定のことにこだわるあまり注意力散漫になるといった、複数の発達障害をまたいだ症状もあります。

ADHDの社会的認知

ADHDは度々メディアなどでも取り上げられているので、社会的認知は年々高まっているでしょう。またADHDの人は障害者手帳を取得することも可能で、企業は発達障害のある人に向けて障害者雇用枠を設けている場合もあります。
障害者手帳は「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類がありますが、発達障害の人は精神障害者保健福祉手帳の対象です。


最後に

ADHDを含む発達障害は、年々社会的な認知度が高まっているでしょう。有名人でも発達障害を公言している人が増えていて、障害者手帳の取得や障害者雇用枠での就職も一般的になってきています。今後はより発達障害への理解が進み、障害のある人とない人が共生できる社会になっていくと考えられます。

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