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【座談会】神山まるごと高専で働くスタッフに聞く、組織のカルチャーや魅力とは?

 今回は神山まるごと高専で働くスタッフ3名で座談会を開催しました。それぞれのスタッフの入職のきっかけや神山まるごと高専のカルチャーなどのリアルを語っていただきました。

 当校でのお仕事にご興味がある方は、是非ご覧ください!

ーまず、簡単に自己紹介をお願いします。

左から順に、丸山さん、藤川さん、鈴木さん

丸山:パートナー連携を担当している丸山咲(まるやま さき)です。新卒では人材会社に勤めており、2020年に独立したのと同じタイミングでこの学校の立ち上げプロジェクトに参画しました。今は、「起業家講師」の企画責任者、パートナーリレーションを担当しています。よろしくお願いします!

藤川:教務や図書館司書などを担当している、”ふじやん” こと 藤川瞭(ふじかわ りょう)です。前職では、私立中高の非常勤講師として社会系科目の授業を行っていました。2022年から、この学校の事務局メンバーとして立ち上げに関わっていました。今日はよろしくお願いします。

鈴木:保健体育の授業と、教務チームのリーダーを担当している鈴木佑奈(すずき ゆうな)です。大学院で国際バカロレア教育(IB)の研究をした後、前職では公立の中高一貫校で保健体育の教員をしていました。その後、2022年春頃から神山まるごと高専のプロジェクトに参画し始めました。今日はよろしくお願いします!

ーみなさんはどんなきっかけで神山まるごと高専に関わるようになったのですか?

丸山:まだ誰もが「学校ができる」ことに半信半疑だった頃、創業メンバーの山川さんと共通の友人から声がかかりました。Makuakeでのクラウドファンディング を通じて、このプロジェクトを対外的に発信していこうというタイミングで、仲間が必要とのことでした。正直、当時は軽い気持ちでプロボノとして参画したのが本音です。気づけば、広報・PR関係から寄附営業まで幅広く業務を担当するまで、すっかりのめり込んでいました。プロジェクトを進める中で、理事長の寺田さんから「パートナーリレーションシップに注力をしていきたい。フルコミットでお願いできないか。」という話があり、移住・入職を決めました。

鈴木:私も山川さんにイベントで声を掛けていただいたことがきっかけでした。友人に誘われて参加した「先生の学校」という神山まるごと高専主催のオンラインイベントで、「こんな教育をしていきたい」という話をしていた所、イベント終了後、山川さんから連絡をもらいました。

丸山:当時「良い人いた!」って言ってましたよ (笑)

鈴木:そうだったんですね (笑) 最初は、この学校のことをあまり知らなかったので、『キラキラした学校』という印象がありました。しかし、話を聞いていくと、教育業界に向けて本質的なチャレンジをしていることが分かり、自分自身が教育に携わるうえで意識していることとの共通項を感じました。自分が世の中に対して必要だと思っている教育、そして自分がやりたい教育を、ここでは叶えられそうだ、という期待があり、飛び込むことを決めました。当時も今も、この学校を拠点に世の中の教育に対する見方が変わり、教育業界全体がより良くなっていったら嬉しいなと思っています。

藤川:私は、前職での社会科の授業がきっかけでした。地方創生関連の授業を作っている中で、神山町と神山まるごと高専のことを知りました。学校設立の事務職を募集を見つけ、これまでのキャリアを活かしながら、教育現場で憧れていた「学校づくり」の実働に関わることができる、またとない機会と思って応募しました。

丸山:教員の方がその職種を辞めて別の職種にチャレンジするのは勇気がいることだったと思うのですが、当時の心境はどんな感じだったの?

藤川:当時は非常勤講師として活動していましたが、教員以外のキャリアも面白そうだと思っていたので挑戦してみました。新しい学校であれば、それをキャリアとして受け入れてくれるのではないかと思い、応募に至りました。


ーみなさんは、今はどんな業務を担当されているのですか?

藤川:今は教務スタッフとして、成績管理や各種システム管理など学校事務のバックヤードを担っています。また、入職後に司書資格を取って、図書館の司書も担当しており、学生も町民も使える図書館の企画・運営をしています。他にも学生の課外活動の顧問やオンラインイベントの配信なども担当しています。

鈴木:私は、保健体育の授業担当に加えて、教務チームのリーダーを担当しています。「どういう授業が神山まるごと高専にとって・学生にとって良いのか」という問いと日々向き合い、授業担当スタッフの方々はもちろん、学校長の大蔵さんやカリキュラムディレクターの伊藤さんとも議論をしながら検討を進めています。また、地域連携も担当しており、開校前からずっと力を入れています。今は高専新聞を通じて、地域と繋がるハブを作っています。

丸山:メインは、WednesdayNightの企画・運営を担当しています。総勢58名の起業家の皆様に、起業家講師として毎週水曜日に学生に向けた講義をお願いしています。また、これまで寄附をしてくださったパートナーや、神山まるごと高専と協働したいと言ってくださっているパートナーの方々と、具体的な連携内容の企画推進、実際に現地視察にいらした際のアテンド等のパートナー連携業務を担っています。また、学生の起業家精神を育むことにコミットしたいという強い思いから、海外研修プログラムの企画なども担当しています。

WednesdayNightの様子

ー実際に働くなかで、みなさんから見て組織の雰囲気やカルチャーはどんな印象ですか?

丸山:スタッフそれぞれの専門性や強みを活かしながら、プロジェクトが同時進行で進んでいく印象があるかな。

藤川:私は、専門性を活かせるというだけでなく、新たな専門性を身につけられる場所という印象を持っています。私自身は、これまで図書館の司書業務も配信業務も全く触れたことがなかったですが、今は図書館や配信のことになると真っ先に呼ばれるようになりました。これまで1~2年掛けて任された仕事をこなすなかで、専門性が身についていったのだと思います。

丸山:確かに、自分の領域を任せてもらえるし、逆に相手の領域を任せる文化があるよね。任せつつ、必要に応じてお互いにサポートする文化があるのは良いなと思います。

鈴木:学生が主役の学校ではあるけれど、働くスタッフもやりがいを持って主体的に取り組める学校だよね。やりがいを創り出すことも、きっかけを創り出してもらうこともできる。ふじやんみたいに本人の選択次第で専門領域が広がったり、新しいアイデンティティが生まれたりするよね。「この人、これしかやってない」というスタッフがいないのも特徴的だなって思います。

藤川:やりがいという意味で言うと、頼まれたことを断らずにやっていたら、色んな世界が広がっていましたね。農業部の顧問から、記録映像の撮影の仕事まで、どれもこの学校に来なかったらできていなかった経験だったなと思うし、それぞれ楽しみながら担当しています。

部活動(まるごとファーム部)の様子

藤川:あとは、不必要な会議や工程はどんどんなくなっていくカルチャーがありますよね。例えば会議調整ひとつとっても、他校では事前に関係者全員に根回しが必要だったけれど、この学校では Googleカレンダーで全員の予定が空いていればOK。slackやGoogle Workspaceが基本のコミュニケーションツールになっているので効率的だなと思います。

鈴木:かといってドライではなく、対面のコミュニケーションも交えながら、いい塩梅で進んでいる感じはするよね。

週に1度行われる、スタッフ全体会議の様子

―効率よくDXを取り入れているんですね。他には、これまでの学校と比較して特徴的だなと感じる点はありますか?

鈴木:学生が積極的に外に出ることを推奨されている点は特徴的だなって思うかな。例えば、学生が外部の方とやり取りする際、他校では、学生が失敗しないように、先生が事前に全てを把握して、学生が知らぬ間に転ばぬ先の杖を何本も用意する節があった。でも、この学校では、学生がどんどん動いていて外部の方と話を進めていきます。スタッフは、本当に抑えるべき所だけを抑えていれば全てを把握して間にはいる必要はないと思っています。そうやって「どんどん外に行きなよ、何かあったらスタッフがいるよ。」という体制は素敵だなと思います。実際に社会に出たら全部誰かが間に入ってくれる世の中ではないからこそ、失敗は付き物として、学生が率先してチャレンジできる環境というのは、この学校の良さだと思います。

藤川:今の話も、まさにこの学校の理念である「β Mentality」を体現してますよね。このマインドが学生にもスタッフにも浸透するように様々な取組みが為されているのも、学校組織では珍しいですし、教育系スタートアップという感じがします。

鈴木:確かにそうだね。「β Mentality」が前提にあるから、悩むのもいい。「悩みながらも前に進んで、一緒に学んでいこう」というスタンスが、スタッフから学生にも伝わっていると思います。時に学生を巻き込むケースもあるかもしれないけれど、不確かな世の中でその在り方はリアルだと思いますね。

スタッフ間で理念について話し合ったMVV合宿の様子

藤川:世の中の学校は立ち上げ期から数十年と様々な議論を積み重ねて、今のやり方になっていると思うんです。それを否定はしないけれど、ここから数年、数十年と我々もそういった議論を経て「神山まるごと高専、最初は面白かったけど、結局こうなったよね」になるのか、時に当たり前を疑いながら新しい挑戦を体現する結果になるのかは、今いるメンバーと、これから採用するメンバーに掛かっていると思います。本当に教育業界のパイオニアになるかは、試されていると思いますね。

鈴木:他校の否定ではなく「どんな学校が良いんだっけ?」は常に問うていきたいし、”学生にとって”どんな環境があったらいいのか、を軸にこれからも考えていきたいよね。

丸山:まさに、どんな学校であるべきか?私たちはそのために何ができるのか?などを自由に話し合う場として「カルチャーミーティング」があるのも面白いよね。ビジネスサイドから学校のスタッフになって学校現場って本当に忙しいんだなって痛感しているんだけど(笑)、それでも、目の前の緊急度の高い業務だけにとらわれることなく、本質的に重要なことについてチームみんなで向き合おうというのが神山まるごと高専らしいなと思います。

鈴木:カルチャーって大事だから、「こういう会議をしなさい」というのがトップから降りてくるのではなく、誰もが主体的に議題にあげたいものを議題にあげていいフラットな場として時間が設けられているのも特徴だよね。

ーありがとうございます。一方で、みなさんから見た組織の課題感や今後の伸びしろはどういった所にありますか?

丸山:今は、開校初年度ということもあり、マイナスをゼロにする問題解決業務でひっ迫しているのも事実です。新しいスタッフが入っていく中で体制も強化されて、「こうなったらいいよね」を追究して、在りたい姿に純粋に向かっていく風土がより広がったら嬉しいです。

鈴木:まさに、課題を対処的に解決するのではなく「学生にとって良いゴールは?」をきちんと議論して、そこに向けたアプローチを考えていけると可能性はもっと広がるよね。

藤川:同感です。例えば、成績評価においても、成績が芳しくない学生を輩出しないよう規律を強くするよりは、学生がもっと学びたくなる仕組みを考えていきたいという議論をしていた所でした。

ーなるほど。そういった組織の現状も踏まえて、どんな方が神山まるごと高専にマッチしそうでしょうか?

鈴木:しなやかな人ですね。日々様々な事が起こる中で「じゃあ、どうしようか?」を常に考えられる人が良いと思います。

藤川:それぞれの業務について緻密なマニュアルなどは存在しないので、そこに対して柔軟に、しなやかに対応できる方が合いそうですよね。決まっていないことにストレスを感じず、楽しめる方が良さそうです。

鈴木:確かにそうだね。今いるスタッフも、当初作った運用ルールも、回してみたら予想と異なることは多々あるけれど「ま、そんなもんだよね」とおおらかな姿勢で臨むマインドの方が多いよね。これから来る人もそういうマインドを持っている方が良さそうだね。

丸山:その点では「他責にしない」というのも大事ですね。開校初年度で決まってないことも沢山あるし、優先順位上後回しになっていることも沢山ある。それに気付いたなら、自分がそれを率先してやる。自分の領域を自分で規定せず、「今このチームに必要なことは何か」を考えて、カメレオンみたいに柔軟に動ける方に来て欲しいです。

鈴木:何事も自分ごとで捉えて、自走できるのは重要だね。今も「誰かが決めてくれる」と思ったら決まらないもんね(笑)。

丸山:あとは、職種に依らず、学生とのコミュニケーションを楽しめる方がいいかな。スタッフと学生の距離も近い学校ですし、結局全ての仕事は、学生一人一人の人生に繋がっているので、注目されているから、ビジネス的にも面白そうだから、という理由のみで、学生の未来や成長に関心の薄い方にとっては合わないかなと思います。

鈴木:今回の募集は教員枠ではないので一見すると学生との繋がりがないように見えるけれど、どの職種も学生との関わりはもちろんあるし、どのプロジェクトも結果的に学生の学びにきちんと繋がっているという意識を持って進められる方に来ていただきたいですね。

―みなさん、ありがとうございました!それでは最後に、神山まるごと高専での仕事に興味を持っている方にメッセージをお願いします。

鈴木:授業担当ではないスタッフの方が、学生と一緒に給食を食べたり、放課後に学生の話を聞いたりなど、色んなバックグラウンドや志向を持った人と学校の中で接することができるのは学生にとっても素晴らしいことだと思っています。是非学生と関わることを楽しみながら、学校を一緒に運営する仲間として事業を作っていきたいです!

給食時の様子

藤川:ご興味がある方は「これまでやったことがないから」という理由でチャレンジを躊躇せず、是非挑戦してみていただきたいです。チャレンジした先には、自分がこれまで見たことがなかった世界が広がっていると思います。

丸山:100年続く学校のまだ1年目なので、まだまだ創業期で生まれたての状態です。神山まるごと高専らしい学校になっていくのは、学生が作るカルチャーと、今、そして、これから働くスタッフ次第です。その「らしさ」を一緒に作っていける人と働けたら嬉しいです!

ーみなさん、ありがとうございました!

神山まるごと高専では、これからの教育やその可能性について一緒に考え、形にしていけるスタッフを募集しています。是非一緒に、「教育系スタートアップ」のような挑戦に溢れた環境で一緒に働いてみませんか?

あなたのご応募を心よりお待ちしております!


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