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深刻な状況になる前に会いに行く!フットワークの軽さが身上のアウトリーチ事業【アウトリーチ事業】

アウトリーチ事業部スタッフLINE相談窓口むすびめ運営責任者

前職

社会福祉協議会正職員(高齢者の相談窓口に配属)→学童併設型児童館非常勤職員

キャリアパス

2022年5月アウトリーチ事業部スタッフとして入職 
2023年4月LINE相談窓口むすびめ運営責任者に就任
現在に至る

▍地域に出向いて話を聞きたい!

「子どもが好きだから保育士かな。でもせっかく4年制大学に行くんだから、それ以外の勉強もしたいな」というふわっとした動機で福祉の勉強を始めました。

社会福祉士の実習で、コミュニティソーシャルワーカーという仕事を知りました。地域に出向いて話を聞き、相談者に伴走しながら適切な支援機関につなげる仕事です。

「相談窓口に行くのは緊張する」と躊躇している人や、生きづらさを抱えたまま誰にも言えず我慢している人は多いものです。そうした潜在的な困り事を解決するお手伝いができる、これこそ私のやりたい仕事だと思いました。

大学卒業後、コミュニティソーシャルワーカーが配置されている社会福祉協議会に就職しましたが、配属されたのは高齢者の相談窓口である地域包括支援センターでした。

家庭訪問や相談業務は「出向いて話を聞く」という意味では自分のやりたいことだと思いましたし、実際やりがいもありました。ただ、窓口に相談に来られる方はすでに深刻な困りごとや悩みを抱えている方が多く、「もっと早く出会えていれば」という思いを抱えながら働いていました。

▍まるで対話をしているような面接

社会福祉協議会に2年ほど勤め、結婚を機に転居・退職しました。

次は「子どもに関わる仕事、しかも窓口で待つのではなく、みずから出向いていく仕事をしたい」と思いましたが、コロナ禍に突入した年で思うような職場と巡り合えず……。児童館と学童保育が併設された施設に非常勤で勤めながら、長期戦で求職活動を始めました。

私には、「制度の狭間に陥ってしまった家庭や子どもに早く出会って、状況が深刻になる前に関わりたい」という思いがありました。

でも、生活困窮者自立支援や生活保護など「(深刻な状況の人を)待つ窓口」の仕事はあるけれど、「(深刻になる前の人に会いにいく)アウトリーチ」の仕事はなかなかありません。あきらめかけていたときに見つけたのが、ダイバーシティ工房のアウトリーチ事業部の求人情報でした。

アウトリーチ事業部のおしごと説明会に参加して「自分のやりたいことに近い!」と確信。書類選考を通過し、一次面接では私のやりたいことについて深く聞いてもらいました。面接というより対話をしているようで、「ここの人たちは素敵だな。ぜひ一緒に働きたい!」と思いました。

二次面接の前に設定された職場見学では、プラット学習教室のミーティングにも参加。スタッフ、インターン、ボランティアが気負わず話せる雰囲気で、私の感想も共有され、誰にとっても居心地のよさそうな職場だと感じました。

二次面接では代表とお話ししたので緊張しましたが、無事内定のご連絡をいただき入職しました。

▍「今はキャパを広げる時期」は本当だった

入職後は、中学校の学習支援や市川市内で開催されている子ども食堂の応援、りりいふカフェ(校内居場所カフェ)などに連れて行ってもらいましたが、1ヵ月経ったら「もう大丈夫そうだから1人で行ってきてね」と任せていただくようになりました。

1年目はこうした地域出張のほかに、放課後等デイサービスの授業とLINE相談「むすびめ」相談員という、主に3種類の仕事をしていましたが、その他にある企画のプロマネ(プロジェクトマネージャー)を担当しました。

主な役割は、企画のテーマに沿った外部向けの勉強会の内容や日程の調整、会場の確保、会議の設定といった、プロジェクト内の業務の進捗管理です。新人の私から先輩方に「これをやってください」と言うのは気が引けるし、期限は迫ってくるし、アップアップの状態でした。

上司に相談したところ、「大変だけど、今は自分のキャパを広げる時期だよね。フォローはするから頑張ってみて」って言われたんです。見守られているとわかると、人間って頑張れるものなんですよね。なんとかプロマネの任務を果たすことができました。

今思うと、そのころに「いつ誰に相談したらいいか?」を身に着けた気がします。「これは〇〇さんに聞こう」「ここは△△さんが一緒に行ってくれそう」「この事業部はいつも忙しいけど今なら大丈夫」など、他の事業部の方々とつながりを持てたことは大きな財産になりました。

どこで働くか、何をするかも大事ですが、一緒に働く人たちとの関係性や働きやすさも重要だと実感しました。

▍話を聞いて一緒に考え、寄り添う窓口に

今年度から、千葉県のヤングケアラーの方の相談を受ける「ヤングケアラー支援体制構築事業」について、県から委託を受けました。窓口の名称は「千葉県ヤングケアラー総合相談窓口アトリエ」です。

以前、地域包括支援センターにいたときに、私もヤングケアラーの子に出会っていました。支援者としては、その子がしたいことに取り組める時間や、落ち着いて過ごせる居場所を作ってあげたいというもどかしさを感じながらも、おばあちゃんの代わりに電話に出てくれるとか、こちらの話をおじいちゃんに説明してくれるとか、その子に頼っていた部分があったんです。

ただ、家族を気遣い支えている状況を「つらい」と感じる子もいれば、「家族のため」と思っている子もいます。すぐに解決策を提示できるわけではありませんが、「その子自身の未来」を一緒に考え、寄り添う窓口になれたらと思っています。

また、今年からLINE相談窓口むすびめの運営責任者になりました。昨年は相談員として業務に携わるほか、対応困難と感じるケースの方針を検討する会議にも参加していましたが、「運営責任者をやってもらいたい」と言われたときは正直困惑しました。先輩方が何人もいる中で、入職2年目の私が適任とは思えなかったのです。

いまだに自信はありません。ただ、私が「こうします!」と決めるより、「私はこう思うんですけど、皆さんはどう思いますか?」と相談することで良い方向にいくと思えるようになりました。私が直接動くより、相談員さんがそれぞれ得意な分野で活躍できるように、皆さんと関係を築くことが大切だと思っています。

楽しく働きながらも、「誰もが安心して暮らせる社会を実現するために、自分には何ができるんだろう?」と悩んだ時期がありました。今も「自分ができること」はわからないけれど、「何をしたいか」は決まっているんです。

あちこち出かけて行って、深刻な状況になる前の人に出会って、話を聞ける存在になりたい。1人でできることは限られているけれど、工房のアウトリーチ事業部には同じことを考えている人たちがたくさんいるので、いろんなことを一緒にやっていきたいと思っています。


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