1
/
5

試験勉強を通じて身につく体系的な知識Kubernetes初心者だった3人がCKAに挑戦!

コンテナオーケストレーションシステムのKubernetes。インヴァスト証券では複雑なアプリケーションをコンテナ化し、それらを自動で管理するためにKubernetesを活用中だ。サービスの基盤を担うIT部SRE(Site Reliability Engineering)チームのメンバーは、実務と資格取得を通じてKubernetesに関する体系的な技術、知識を身につけている。今回は、配属後にはじめてKubernetesに触れ、1年未満でCKA(認定Kubernetes管理者)を取得した3人に、勉強方法や資格取得のメリット、今後の目標などを聞いた。

Lee Sanghyuk
3カ国語に堪能で、前職では海外営業に従事。2021年4月にインヴァスト証券に入社。ディーリング部、システム管理部を経て2022年6月からSREチームに所属。エンジニア歴1年ながらチームの要として活躍中

河内 比花留
大学で物理学研究に従事した後、エンジニアにキャリアチェンジ。ベンチャー企業1社を経て2022年6月にインヴァスト証券へ。SREチームでは、技術と経験に加えて持ち前の探求心、語学力を生かして活躍中。

中島 知香
2017年に新卒でITコンサルティングの会社に就職。転職して2019年からインフラエンジニアのキャリアをスタート。2022年8月にインヴァスト証券へ。堅実な仕事ぶりでチームメンバーからの信頼も厚い。

====

Kubernetesの網羅的な知識が問われるCKA。試験勉強を通じて深まる理解

―Kubernetesについて簡単に教えてください。

Lee:Kubernetesはコンテナオーケストレーションシステムで、まさにオーケストラの指揮者のように、無数にあるコンテナを自動で管理します。

例えば、従来のインフラ環境では、コンテナで動かしているシステムの状態が悪くなり、コンテナのリスタートが必要なとき、そのままリスタートしてしまうと、再起動の間にアクセスができなくなってしまいます。Kubernetesは、ここで自動的に同じものを新しくつくり、用意ができたら古いものを削除し、新しいほうへとアクセスを切り替えることで、システムが止まることなく稼働し続けます。これを、従来は人の手で、モニタリングしながらやっていたのですが、Kubernetesは裏で、自動でやってくれる、大変便利なシステムです。世界的にはかなり普及していますが、日本ではこれからというところです。

―なるほど。皆さんはSREチームに来てからKubernetesを使いはじめましたが、実際に使ってみてどんな感じですか。

河内:AWSが提供しているECS(Elastic Container Service)というオーケストレーションツールがあり、そちらは前職で使ったことがあるので、基本的な概念は理解していました。ただ、Kubernetesはより自分たちで操作できる部分が多いので、慣れるのに半年程かかりました。

中島:私はKubernetesも、ほかのオーケストレーションツールも触ったことがないので、最初はどう使えばいいかまったくわかりませんでした。今回、CKAの勉強を通してかなり理解が進み、今は一応、使いこなせています。

―では、今回、皆さんが取得したCKAについて教えてください。これは、どの程度のスキルを証明する資格でしょうか。

Lee:インフラエンジニアの世界的な標準で見ると、中級者レベルの資格でしょうか。Kubernetesの基礎から応用まで、すべての知識を網羅しています。特徴的なのが試験方法で、試験というと通常は問題文があって、それに対する答えを選んだり、記述したりしますが、CKAの場合は実際にサーバーを渡されて、その中に用意されている問題を、Kubernetesを使って解決していきます。かなり実践的で、実務での運用経験があったほうが有利でしょう。それだけ難しいと言えると思います。

―取得の意義や、転職活動時などキャリア上の利点もあれば教えてください。

河内:取得の意義やメリットとしては、第一には、資格取得の勉強を通じて幅広い知識を身につけられることですね。Kubernetesを仕事で使っているだけでは、どうしても得られる知識は偏ります。勉強することで、様々な場面や機能について知ることができると思います。

自分がインヴァスト証券に入社するときの転職活動では、何社か受けたなかの3分の1くらいで、Kubernetesの実務経験を聞かれました。

中島:私のときも、たまに募集の条件でKubernetesが書かれていることもありました。インフラ技術者のなかでも、日本国内ではKubernetesを使える人はまだあまりいないと思うので、CKAは希少価値があるかもしれません。

受験料とe-ラーニング講座を会社が支援。日常業務と並行して進めた試験勉強

―取得に向けてどのように勉強しましたか。会社からは支援がありましたか。

Lee:受験対策のe-ラーニングのコースを会社が契約してくれました。もちろん、受験費用も会社が出してくれます。勉強は、e-ラーニングの動画が十数本あり、それを視聴するのと、受験を申し込むと公式の模擬試験を2回受けられるので、それも受けて、自分なりに知識をまとめて受験に臨むことができました。

中島:e-ラーニングは動画と練習問題があったので、視聴と実際に問題を解くのとセットでできたことが、すごくよかったです。

―勉強期間はどれくらいでしたか。

河内:自分は2022年6月に入社して、最初の半年は実務に専念して、年明けの1月から勉強を開始しました。受験は2月の終わりだったので、勉強期間は2カ月です。点数はギリギリでしたが、一回で合格できました。

中島:受験時期は自分で選べるので、私は、半年ほど時間をかけて勉強させてもらいました。2023年6月の初めにやっと受験して、合格しました。ゆっくり、コツコツと取り組みました。

Lee:私は、ITのバックグラウンドがあまりなかったので、当社の環境の理解に半年ほど費やして、そのあと河内さんと同じで1月から勉強をスタート。3月末に取得しました。

―勉強方法などについて、周りからのアドバイスはありましたか。

Lee:先に取得していたチームの人から、「こんな試験だよ」といったことは聞いていました。あとは、河内さんが最初に合格されたので、直近の生の情報をもらえました。

河内:自分も、同僚や上司から模擬試験の内容や本番の様子を聞いていました。多分、自分がこのお二人に提供したなかで、いちばん重要だと思う情報は「模擬試験がメチャクチャ難しいので落ち込まないように」というものですかね。

Lee、中島:はい(笑)

―勉強は勤務時間外にしましたか。

Lee:はい。基本的には業務が終わったあとに、大体、1日1時間程度勉強して、週末はしっかり時間をかけて勉強していました。業務と並行しながら準備をするので、平日は疲れてしまって思うように勉強ができないこともありました。その分は休みの日にやって、何とか試験当日に間に合わせました。勉強時間の確保は、やはり難しかったですね。

中島:私もそうですね。平日の仕事のあとに練習問題などを少しずつ進めるのですが、やはり時間をつくるのは大変でした。特に私の場合は、お二方と違って時間がかかったので、半年間ずっと、試験を意識しながら日々の生活を送ることになってしまい、今は、終わってすっきりしました。ずっと勉強はしていたのですが、なかなか手応えが得られず、「まだ受かる気がしない」と悩んでいる間に、時間が経ってしまいました。

河内:1月から始めたので、仕事終わりに2時間、3時間と集中的に勉強しました。通勤のときは電車の中で動画を見たり。あと、勉強をしていると業務でKubernetesを使うときに、「ああ、これは勉強で覚えたことだ」と気づくので、日々の仕事も勉強になりました。

Lee:実際に、できあがっている環境が会社内に用意されているようなものですからね。それを見ながら「ああ、こういう形で動いてるんだ」と目に見えてわかるので、業務が直接的に勉強に役立っていると感じました。

―試験本番はどうでしたか。手応えや合格したときの気持ちは。

河内:自分はこの三人の中で最初に受験しましたが、中島さんとは真逆で「とりあえず受けてしまおう」という感じでした。試験本番の12時間前にはじめて模擬試験を受け、こんなにギリギリのタイミングなのに3割くらいしか得点できなくて絶望し…。これは寝るわけにはいかないと、そこから寝ずに復習をして本番を迎えました。手応えは「ちょっとどうかな」という感じでしたが、結果は何とか合格できて嬉しかったです(笑)

中島:私も模擬試験で得点できなかったのですが、河内さんとLeeさんから「難しいからそんなに落ち込まないように。本番は落ち着いてやったほうがいい」とアドバイスをもらって、試験のときはとにかく気持ちを静めることに集中しました。

勉強を通じて原理や仕組みを理解。業務に直結するスキルに。資格も自分の財産

―振り返ってみての感想や、資格取得を通じて得たものなどを教えてください。

Lee:私はエンジニアのバックグラウンドがないので、今回のCKAが、Kubernetes関連では最初の本格的な勉強になりました。もしバックグラウンドがあったら、従来のシステムとの違いについて「何でこうなるのか」と考えてしまって、少し頭が複雑になったかもしれません。私の場合は、むしろ何もなかったことで白紙の状態で受け入れることができ、それが奏功したように思います。

勉強して感じたのは、やはり、資格を取らずに業務のなかで何となく使っていると、「どうすればいいか」「何をすればいいか」はわかるのですが、「なぜそうするか」がわからないままになってしまうということ。そこを掘り下げて、原理や仕組みを理解できたので、今後、何かトラブルが起きた際に解決できるスキルを身につけることにつながったのではと思います。

河内:そうですね。勉強を通じて体系的な、業務に活かせる知識を得た実感がありますし、あとは、日々仕事で疲れたあとに勉強するというスキルもついたかなと思います。

中島:勉強したことが資格という形で自分のものになったことに加えて、勉強を通して得た知識が、そのまま仕事に活かせることが、すごくやってよかったと思う点です。努力の結果が資格として自分の経歴に載せられることは、すごく大きな財産だと思います。

―今後はどのような資格を取得していきますか。

Lee:私は、最初はAWS関連の資格を取りまして、その次が今回のCKAでした。社内的には、まずCKAを取得し、次は、より上級者向けのセキュリティー関係に特化したCKS(認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト)という資格があるので、それを目指す形にしています。なので、次はCKSを考えています。

中島:そうですね。私はCKAが終わったばかりなので、まだ上司と次に何を目指すかという話はしていないのですが、多分、私もCKSになると思います。

河内:自分は今、Istio(イスティオ)という技術を導入するための資格の勉強をしています。これもKubernetesに関わる技術で、ちょうど今、自分が関わっている『トライオート』の刷新プロジェクトで使うものです。インフラ周りを担当しているのですが、そこにIstioを導入する予定なので、資格の勉強を通して体系的な知識を得られるといいなと思いっています。上司とも話して、自分はCKSよりもIstioのほうに興味があるので「こちらを先にやります」という話になりました。

―部内の標準的な資格取得プランがありつつ、個人のキャリアや業務の状況に合わせて取得を進めていく形ですね。

河内:そうですね。

画像出典:”Linux技術者認定「LinuC(リナック)」と連携するKubernetes技術者認定に「Certified Kubernetes Security Specialist(CKS)」を追加” 
「LPI-JAPAN オープンテクノロジー技術認定機関」のサイトより

※編集注記:上記画像の右から2番目にある「CKA」が3名受験した資格。セキュリティーにより特化した資格がその上にある「CKS」となる。

リモートワーク終了後はすぐに勉強時間。資格取得を推奨する社風や働き方も後押しに

―リモートベースで週1、2回出社という働き方ですが、そのあたりも勉強のしやすさにつながっていますか。通勤時間分をどう活用しているか、リモートのメリットなども教えてください。

河内:やはりリモートのときのほうが、通勤時間や通勤による疲労がないので、勉強はしやすいですね。インヴァスト証券は会社として、各自が目標を持って資格を取る方向になっています。そのような空気に加えて、リモートもできて勉強時間も確保しやすい。仕事と勉強といいバランスで資格取得に取り組める環境だと思いました。前の職場は、あまり資格を取る雰囲気がなかったので、孤独に戦う感じでしたね。

中島:私は今、週3日ほどリモートで仕事をしていますが、河内さんがおっしゃるように、移動時間がない分、仕事が終わったあと、すぐに勉強を開始できるところがいいです。特に資格取得の勉強をしている期間は、すごく助かりました。

私も、前の会社でAWS関係の資格を取ったのですが、そのときと違うのは、インヴァスト証券では、自分の今年度の目標として明確にどの資格を取ると決めて、評価項目にも含めていること。それがとてもモチベーションにつながっていて、だから頑張れたのだと思います。

Lee:リモートと出社の配分は、大体、お二方と同じです。今、出社する曜日をチーム内で合わせているのですが、そうすることで、対面で議論したり、問題への対応なども対面で話せたりするので、これは出社ならではのよさだと思います。

前職は営業だったので、全出社でした。やはりリモートでできるのはいいですね。浮いた通勤時間は、私はエンジニアになって日が浅く、まだまだ勉強しないといけない立場なので、勉強時間に充てることが多いです。

―今後、挑戦したいことは何ですか。

河内:次の資格取得に向けて勉強したいですし、インフラ以外にも、アプリケーションに使用している言語の知識なども勉強したいと思っています。『トライオート』刷新プロジェクトも、もちろん成功させたいです。

中島:私も、また次の資格取得に向けて挑戦したいです。会社から資格取得の支援もあるので、そういうものを活用して挑戦し、どんどんキャリアを積み重ねていきたいと思います。私もいくつかプロジェクトに入っているので、それをまずは達成できるように、二年目も頑張りたいです。

Lee:私はインヴァスト証券に入社してから、かなりチャレンジの連続でした。ディーリング部、システム管理部と来て、今はSREチーム。ここで腰を据えて取り組んでいるところなので、今やっていることをより完璧に仕上げたいと思っています。さらに、お二方と同様にインフラ以外の勉強もしたいですね。業務面では、最近リリースされた『インヴァストサービス』という新しいプロジェクトがあり、それに主に関わっています。こちらも頑張りたいと思います。

―最後におまけで、休日の過ごし方なども教えてください(笑)

Lee:週末は、私はゲームが好きで、ゲームをしているんですけど(笑)、たまに会社の人と会って飲むこともあります。

中島:月一くらいの頻度で土曜日にリリースがあるので、そのときはしっかり仕事をやりつつ、仕事がない日は出かけたり、あとはまだまだエンジニアとして成長しないといけないので、インフラだけでなく、アプリケーション開発の仕組みを勉強したりする時間もとっています。

河内:自分は普通に家で疲れをとったり、出かけたり、ジムに行ったり。Leeさんともたまに会います。

Lee:はい、たまに(笑)

――ゆるく仲のいい感じがいいですね。前向きに勉強される姿勢にも頭が下がります。ますますのご活躍を期待しています。ありがとうございました。

インヴァスト証券株式会社では一緒に働く仲間を募集しています
17 いいね!
17 いいね!
同じタグの記事
今週のランキング
インヴァスト証券株式会社からお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?