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【代表インタビューvol.3】〜Learning for All のこれまでとこれから、目指す社会〜

みなさんこんにちは!

Learning for All 採用担当の長島です!

前回の代表インタビュー「ボランティアから代表への道のりを振り返る」では、李がボランティアとしてLearning for All に参加してから代表に至った経緯をご紹介させていただきました。

さて、第三回となる今回は、LFAがこれまで取り組んできたことと、そして、これからどんな取り組みをしてどんな社会を目指していくのかについて、引き続き職員の福田がインタビューしました。これまでどんな取り組みをして、そこでどんな葛藤を抱えてきたか。それを受けて今どんな挑戦をしているのか。そして、その先にどんな社会のあり方を描いているのか、深く聞いてみました。

ぜひご一読ください!

※こちらのインタビューは2019年8月に公開したものを一部修正して再度公開しております※

【代表インタビューvol.3】〜LFAのこれまでとこれから、目指す社会〜

ー前回は独立後にたくさんの困難があったことを話してもらいました。そんな中、LFAは 事業としては学習支援だけでなく居場所支援を始めたり、様々な取り組みを展開していますよね。それぞれやるに至った経緯や想いを教えてください。

LFAは2010年から現在まで、学校内外で学習支援を実施しています。そして、2016年からは子どもの家事業という居場所・生活支援の拠点を、2018年からは、学校内外の学習支援事業と子どもの家事業を同一エリアの中に設置し、6歳〜18歳までの子どもたちが早期から切れ目のない包括的支援を受けられる事業をスタートさせました。

支援を広げてきた経緯をお話します。まず団体創設以来実施して来た学習支援事業は、主に小4~中3の子どもたちに対して、放課後や週末に個別指導を提供してきました。私もそのボランティア教師からLFAキャリアをスタートさせています。

学習支援をする中で、様々な困難を抱える子どもたちに出会ってきました。中3で分数ができないほどの低学力の子ども、外国籍で日本語学習自体に遅れのある子ども、発達障害・不登校・虐待など、子どもたちを取り巻く環境は複雑で深刻なものでした。そんな子どもたちに「笑顔」と「結果」を提供し、子どもたちの人生が変わる教室(LFAでは「Path Change」と呼んでいます)を作り上げるために、個別指導のノウハウを蓄積し、ボランティア教師向け研修をブラッシュアップし、個別指導教材を整備し、様々に工夫を重ねてきました。その結果、多くの子どもたちが学力向上を果たし、希望する進路に進んでいきました。


しかしながら、学習支援事業だけでは対応できないお子さんもいました。学習支援事業をやればやるほど、「もっと早く出会えて入れば」、「もっと学習以外の他の支援もできれば」と思うようなお子さんに出会いました。そして、自分たちの力のなさをひしひしと感じていました。

例えば、DVやネグレクトなど虐待を受けているお子さんに対して学習支援教室の中でできることは限られていました。中3で分数ができないお子さんも、小学校低学年などもっと早く出会えていれば確実に学力をつけることもできたはずです。また、著しい低学力の背景には、幼いころの養育環境や保護者さん自身が抱えている課題も大いに影響していました。学習支援だけでは足りない、そう思っていた時に、日本財団さんのお声がけを受け、2016年から子どもの家事業をスタートさせることになりました。

子どもの家事業は簡単にいうと民間学童です。小学校低学年の低所得世帯のお子さんを対象に、月曜〜金曜日まで、15時〜最大21時までの預かりを行なっています。毎食夕食も出せるようにしていて、家では栄養のあるご飯を食べられない家庭あるいは保護者さんが遅くまで働いていて家に一人でいないといけない子どもたちにとっても安心できる居場所になっています。学習支援教室で対応できなかった食事や生活環境の支援、また保護者さんを含めた家庭丸ごとの支援ができるようになりました。小学校低学年のお子さんに対して、保護者さんのサポートも含め、週5日間関わってみると、学習支援だけでは気づくことのできなかった貧困問題の深さ・厳しさを知ることになりました。


学習支援事業と子どもの家事業を続けるなかで、日本の子どもの貧困支援の課題も見えてきました。大きく3つあって、①子どもが早期に見つからない、②支援に途切れがある、③支援の量が足りていない、ということです。
①については、結局行政や学校で子ども支援が問題になってくるのは、課題が深刻化して、見える化されてきてからなんですね。なので、虐待が深刻になったり、学力が著しく低くなるまで支援が届いていなかったりします。
②については、支援が中学校の学習支援に限られているなど、小学生や高校生世代の支援が手薄であったりします。LFAの子どもの家事業も小学校低学年対象なので、小学校4年生以降も子どもたちを支えていくには不十分でした。
③については、支援が必要なお子さんに対して、行政やNPOで提供できている支援量が絶対的に少ないということです。もちろん、生活保護や就学援助のお子さん全てにニーズがあるわけではありませんし、無理に支援する必要もありません。ただし、学習支援があること自体が伝わっていなかったり、そもそも希望者全員を支えられない支援量しか提供できていない状況がありました。

ーなるほど、支援をしては新たな課題意識が芽生え、新たな取り組みを展開し…の連続でたどり着いた答えが今なんですね。現在はどのような取り組みをしていて、どのような展望を持っているのでしょうか。

そうなんです。2018年からは①〜③の課題を解決するために、子どもの包括的支援モデル作りを始めました。6歳〜18歳までの子どもたちが早期から切れ目のない包括的支援を受けられるように、地域に学習・居場所拠点を複数作り、地域や学校とのネットワークを形成し、子どもたちを支えています。この事業は、ゴールドマンサックス社のご支援をいただき、3年間のモデル開発の上、4年目からは全国のみなさんの知見の共有をし、日本全体の支援の量・質の向上を目指しています。2018年8月から開始しましたが、これまでの支援で感じていた、①子どもが早期に見つからない、②支援に途切れがある、③支援の量が足りていないという3つの課題に対しては有効な解決策を見出せつつあります。

もちろんLFA以外にも、全国では様々な先進的な実践や地域に根ざした素晴らしい実践があります。LFAの包括的支援モデルもそういった事例の一つになればいいと思っています。また、このプロジェクトを通じて、そうした全国の支援団体や自治体が繋がり・連帯し、子どもたちの置かれる課題状況やその対策として必要なこと、ひいては基礎自治体や国のレベルでどんな政策や制度を用意すべきか、なども考えていきたいです。こうした活動を通じて、子どもたちの置かれる状況を本質的に変えていけるように、と考えているのが、LFAの現在です。


課題意識が芽生え、その解決を試みる…。その連続の繰り返しで今があり、そして次の展望を描いているんですね…。今行っている子どもの包括的支援モデルにも意義を見出せているというのを聞き、そのチャレンジの1つ1つで子どもたちの笑顔が守られているんだと感じました。

ここまで聞いたところで、このような様々な事業を展開できるLFAという組織がどういう組織なのか、気になってきましたが、今回もお腹いっぱいなので次回インタビューにて続編をお届けしたいと思います!

インタビューvol.3にお付き合いいただいた皆さま、ありがとうございました!

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