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「取材相手に『面白い人』と思われなくてもいいんです」。B&編集長に聞く、価値あるアスリートインタビューの作り方

みなさんこんにちは!(こんばんは!)
髪の毛にまとまりがなくなってきたことから梅雨の到来を間近に感じている、Link Sportsの小嶋です。


今回の更新は、弊社の運営するメディア「B&」の編集長を務める小田菜南子さんのインタビュー記事です。
インタビュアーは、4月より弊社のスポーツデジタルマーケティング部に新卒入社した市川さんが務めました。

大学時代から弊社のインターン生として、数多くのインタビューや記事執筆、編集…とメディア部門において活躍してきた市川さんですが、アスリートへのインタビューを行う中で疑問や悩みを抱えているとのこと。

今回は市川さんが抱える疑問や悩みを小田さんに投げかけ、いただいた回答を記事にしてもらいました。

インタビューを始めて日の浅い方々に何かしら気づきをもたらすことができる、
そんな記事が完成したと思います!

ぜひご一読ください。

こんにちは!
2021年4月からインターンを経てようやく正社員となりました、市川です。

会社noteの担当をさせていただいていて、「Link Sportsのどういうことを知って欲しいか?」と考えている中で...
「どんな人がメディアを運用しているのか知って欲しい!」と思ったことが今回の記事企画のきっかけです。

そこで、「せっかくなら、私が日頃インタビューで感じている疑問をぶつけて答えていただこう」と思い当たりました。
私のようにインタビューを始めてまだ経験が浅い人に、ヒントや気づきを与えられれば嬉しいです。

ということで...!
Link Sportsの“スポーツ女子のモチベーターメディア”「B&」編集長の小田菜南子さんに、新卒1年目の私がアスリートインタビューにおいて感じている疑問や悩みに答えていただきました。


まずは「あなたのことが知りたい」ときっちり伝えること

ーインタビューの冒頭で、本題にどうスムーズに入ればいいかのか、悩むことが多いんですよね。

小田:過去の記事を調べたり、日々のSNSをチェックしたりして、めちゃくちゃしっかり準備することが大前提にあると思います。

その上で「この前の投稿、すごく好きで...」などと始めて本題にひもづけていく。小さいところから「ちゃんとあなたのことを見て知っています」と感じてもらうのが大事かなと。相手も「この人なら、普段とは違うことを話してもいいかも」と思ってくれると感じています。どういうふうにインタビューへの導入を作るか、あらかじめ考えていきます。


ーまずは相手が「求められている」と伝えること。取材する側からすると当たり前に感じてしまいますが(求めているから取材をするのですが)、「私はあなたのことが知りたいんです!」ときっちり伝えることが、信頼を築く上で重要なんですね。

小田:はい。そこから「媒体特性のこういうところが合うと思った」「読者がここを知りたいと思った」など、次は相手に何を求めているのかを明確にして伝えています。

「求められていること+なぜ求められているのか」。この2つをしっかり伝えることが、取材する側の役目だと思います。「事前に趣意書に書いていることでは?」と思うかもしれませんが、取材される側は当日忘れていることもあります。

あとは、「この人個人にとっても私の話は有益かも、価値があるかも」と感じてもらえるとなお良いですよね。例えば最初の挨拶で、普段自分がどういう人と接しているのか、どういう趣味を楽しんでいるのか、どういう悩みを持った方が周りにいるのかなどをチラチラ混ぜ込みます。人間的な部分を見せて、生きている世界が近いと少しでも感じてもらえたら。


取材の目的は、価値あるアウトプットに繋げること

ーどうしても会話がキャッチボールにならず、一問一答で終わってしまう時も。そういった場合にはどのようにインタビューを作っていますか?

小田:考えていたとしても、うなずくなどして、とにかく固まらないようにしています。ここは、経験と準備がものを言うと思います。

一辺倒な聞く質問だけを持っていった取材で成功した経験は、ほとんどありません。途中で手札がなくなってしまって、相手もそれに気づくと固くなります。取材する人について、一方向からだけではなくて、あらゆる視点で調べてからいくと、自ずと聞きたいことがでてきます。

「あ、今の話、この前のTwitterの投稿と繋がるな」「こういう風に以前インタビューで話されていましたよね」と、自然な受け答えだけでも話は広がるものです。


ー「相手がつまらないと思っていたらどうしよう」と感じることはありませんか?

小田:もちろんあります。でもそれって、記事の出来には関係ないですよね。そこはもう割り切っています。「取れ高だけは絶対に持って帰るぞ」と(笑)。

極論、取材の時点で面白い人だと思われなくても良いんです。アウトプットが取材相手にとっても価値のある内容になれば、絶対に後から印象が変わると思っています。


アスリートの気持ちを、少しでも理解したい

ーアスリート取材において、質問をするときに気をつけていることはありますか?

小田:ひとつは、競技に対して知ったつもりにならないことです。「マイナー競技」といったひとくくりの言葉は言わない、など。決めつけて言ってしまうのは、上から目線に聞こえてしまい失礼だと感じています。どうしても使う必要がある場合には「一般的にはこう言われています」というニュアンスを入れるようにしています。

記事を読んだ人が、アスリートに対してどう感じるかも気にかけています。その場では尖った言葉を使っていても、その真意をしっかり探るようにしています。質問をする時点で、時には言葉を変えたり質問を足したりして、原稿を想像しながら作っています。


ー特にアスリートだと、周囲がどう記事を受け止めるかはとても繊細なところですよね。

小田:はい。その人や周りの人を傷つけてしまうことがないように、「一緒に記事を作っていく」という感覚を持つようにしています。おこがましいかもしれませんが、アスリートを理解したいと思って取材しているし、信頼していただきたいなと。

メディアとして接するということは、彼ら彼女らの代弁者になることです。個人のSNSではなく、あえてメディアを通じて伝える価値を考えて、寄り添っていきたいと思っています。


ー「理解したい」という気持ち、メディアで発信する価値。ただただ「質問をして言葉にする」のではなく、取材する人の思いを的確に伝えられる記事を作っていけるようにしたいと改めて思いました。本日はありがとうございました!

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