お酒が好きな私は、飲み会のお誘いがあれば喜んで参加します。

ある日の懇親会で、長年一緒に仕事をしているライフプランナーのYさんが乾杯の際にノンアルコールビールをオーダーしました。

以前一緒に食事をした際はお酒を飲んでいたはず・・・

遠慮気味に「今日はノンアルなんですか？」と訊ねると「これからの話の内容を、ちゃんと覚えておきたいので」という返事でした。

その日は単なる懇親会ではなく、次年度の方針について意見交換をするという目的がありました。幹事であり、まとめ役でもあるYさんはその責任を全うするためにアルコールの摂取を控えたのです。

また、別の懇親会ではこんな話を聞いたことがあります。

いつもお酒を飲んでいたはずのあるライフプランナーが、その日はソフトドリンクしか飲んでいなかったそうです。

そのことに気が付いた別の社員が声をかけると「明日の午前中にお客さまとの商談があるのです。車で移動する予定なので念のため今日はアルコールを控えます。」と。

その日の懇親会は20:30終了を予定していました。個人差や飲酒量による差はあるものの、一般的に考えれば翌朝の商談までには十分な時間がありました。

私なら「ちょっとだけなら良いだろう」「乾杯だけなら良いだろう」と考えてしまうような場面。当然のこととしてさり気なく自分自身を律する、そんな静かで強い責任感に、頭が上がりませんでした。