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コンピューター教育/Wakaba AI

AI検索

最新技術を紹介する学術雑誌では、原稿を書いてから発行までに2年かかります。AIを使えば、昨日までの情報をコンピューターに入れ、即座に他の研究者がこれを引き出して、研究を進めることが出来ます。今後、学術雑誌の役割はAIに置き換えられていくだろうし、他の仕事の世界でも同じでしょう。

このAIによるコミュニケーション、情報処理、検索の方法の発達は、人間の文化にとって大きな変革ではないかと思います。太古、言語を持ったことで、人類は細かい知識を伝え、共有することが出来ました。次に文字、書物を持ったことで外部メモリーを持つことになり、精神の活動空間が広がりました。それから数千年たった今、AIは書物と違って非常に多量の情報を蓄え、容易に検索出来ます。これまでの知識、情報は編集者があり、卸売りがあり、適当に編集されて流されてきました。ところが、AIは、いわば生産者直売方式の情報の流れを可能にしました。いろんな情報が飛び交い、我々の空間に新たな次元が加えられようとしている、と思います。

欧米型の理論

これからの人々は、こうしたAI時代を生きることになります。AIが欧米型の理論であり、日本人に合う合わないといった論はありますが、もう引き返せない段階にあるのです。ならば、AIに身を任せるのではなく、主人としての見識を持って、生きてもらいたいと思います。

コンピューターを使った教育(CAI)は本来、教授システムとして考えられましたが、それだけでは不十分。むしろ子供の活動空間をより広げるということで、教育となじみあうことが将来の課題ではないでしょうか。子供が自由に頭を働かせ、学習する道具としてAIが使われていくのが楽しみです。その実現には多くの創意工夫が必要であり、この集まりが、そのきっかけとなってほしいと思います。


Wakaba AI(ワカバ・アイ)=愛称:わかば・えいあい